91~集落の名前が決まりました~
お読みいただきリガ等ございます。
居眠り女主人公、異世界転生して一年です。なので、集落の名前を決めてみました。
春になった。
私がこの世界に来て、まだ一年だ。
拠点の雪も解けているし、従魔も外を駆けずり回っているし。
・・・プラント母さんの子供たちも増えている気がする。
あまり森の中に放たないでほしいんだけどな。
ガラスハウスは、屋根を開けておいて、温かい季節はそのままにしておくのがいいよね。
野菜も果物もおいしく育つし。
おコメはどこにあるかなあ。
一年たってもわからないよ。
茶葉はあることが分かったけど、そこに行く暇もないよね。
ジューノさんが手に入れてくれないかな。
集落の雪も解けたし、魔法で地面の整えもやったし、そろそろ本格的に、冒険者ギルドの計画が動くだろう。
その前に、宿屋のオープンだな。
春になれば冒険者たちも動き出す。
この集落にも来るだろうし、そうすれば泊まるのは宿屋になるかもしれない。
冬の間にみんなに教えたことで、集落の人たちは、料理も掃除もそれなりにできるし、なぜかキドナップバブーンたちも、接客を覚えた。
・・・服を着させて、キドナップバブーンたちも、やってもらおうか?
ベッドメイキングとか、見て覚えて、上手なんだよね。
混んでいるときはもしかしたら役に立つかもしれないよね。
風呂のスライム核石や、各部屋のスライム核石は、私が仕方なく作った。
ここでの錬金術師が私しかいないからだけど。
早くこちらに来させよう。
作業用の小屋も、集落の住民のいるほうに建てたし、錬金術は大丈夫だと思う。
鍛冶作業とか、防具修理とかは、まだできないね。
少ない住民じゃ手が回らないし。
そういうのができる老人も多いけど、もう少し考えておこう。
宿屋の利用は、一部屋の料金が、一泊二食付き、銅貨10枚。広いところは、15枚。
長期なら、少し割り引かれるくらい。
それ以上はとてもじゃないけど心苦しいらしい。
ほかのところよりだいぶ安いからね?
大丈夫かな?この集落。
でも、ここの人たちが生きていくためのお金が入るならいいか。
ここはいつもお金がなくて大変だったから。
働けど働けど・・・金銭にはならないからな。
部屋はキーカードというか、木の札がカギの代わり。
差し込むとあく仕掛け。
人数分だな。・・・三人部屋に5人とかはやめていただきたいから、そういうのは違う部屋にあんないだろうな。押し切られないようにここは言い聞かせだね。
かぎ札をなくさないようにお願いしたい。
外出の時はカウンターに預けるようにしてもらう。
お風呂も、料金のうちだから、最初に部屋の人数分のタオルと石鹸を渡す。
あとは部屋の使用方法を説明させる。
住民はよく覚えてくれる。
本当にここの人たちは純粋にまじめだ。
一日寝ている私とは大違いだな。
あとはおいおいやっていこう。
問題が出ても、しばらくはシツジローくんが対処してくれるし、大丈夫だろう。
宿屋のオープンまで、もう少し。
外から旅人が来たら、その日にしよう。
集落のみんなに説明して、ほとんどの畑も、最初の作業が終わって、いよいよ、この集落が始まっていく。
「アイリーン嬢ちゃん、ここの集落はあんたが任されたんだろう?」
いつもぼんやりと聞いてくるおじいちゃん。
まあそうだね。
ここは私が任されている。
「集落には名前がないんだよ。何かいいのがないのかね」
「それって私が考えるより、みんなで考えてくれたほうがいいよ」
ああ、でも、集落に名前があると楽だよね。
宿屋にも、その名前が付けられるし。
「ジャムさんは何かないの?」
「じいさんばあさんが、考えたのならある」
「それじゃそれで」
なんだ。
あるならいいじゃない。
相談も何も必要ないのに。
「反対しないなら決定してしまうぞ」
「反対?しないよ。つけてほしい」
みんなが考えてくれたのなら、それがいいに決まっているわ。
ここはみんなのものなんだから。
「そうかい。・・・プラム街・・・だ」
プラム街?
私の名前からとったの?
「うわー・・・それはちょっと・・・」
「反対しないんだろう?」
「あー、そうね。そういっちゃったし・・・うーん・・・」
街じゃないよねぇ。
「じゃ、これでどう?プラム郷」
「決まりな」
仕方ない。
名前を使われるのは嫌だけど、集落のみんなの目がこっちに真剣に向いているし。
プラムなんて作ってないけど。
食べたいなあ、プラム。
「「プラム郷、きまりだ」」
みんなが騒ぐ。
宿の名前もプラムの宿になった。
ここからが、この集落改め、プラム郷の始まり。
よし!
がんばろう。
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