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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
83/281

83~王都中央部も初雪だ~

いつもお読みくださりありがとうございます。居眠り女主人公、最近寝ている時間のほうが少なくなったかな。王都中央部も、王国祭です。

王国祭の始まりは、王都中央部の初雪の日だ。

前の王様の時は、真夏だったそう。


つまり、王様の誕生日が、王国祭の始まりなんだけど、どの国も、そんな感じらしい。

建国記念日とかじゃないのが不思議でならないけど、王様によってはやらない人もいたとか。

あと、ただのお祭りなのだそうで、王都中央部以外は、そんなに盛り上がっていないのだとも、スーベニア・サカイ様が言ってた。

貴族は王宮に集まって、盛大にお祝いを述べるらしいけど。

街はただのお祭りだな。


寒いから、あまり外には出たくないけど、まだうっすらとしか積もっていない中を、商店街地区に行く。

広場は、その前からやっている屋台ばかりだ。

この前の、シルコのおばちゃんは・・・いないな。

全部買っちゃったんだから、店を出せないのか。

よく見ると、いろんなところからの行商人が多い。

いいものあればいいけど。


ポーション屋さんがある。

本物のポーションだ。

勝手に鑑定するのはいけないけど、店主も鑑定してみる。


・・・

プレイヤーではないようだ。

でも作り方はプレイヤーに教えられたのかもしれない。

ポーションとしては、中級までのものが売っているけど、やはり高いね。

早くこの国にも普通に買えるようにしないとね。


それでも、冒険者が買っていくのだから、ポーション屋さんはもうかっているようだ。


「メイちゃんとシツジローくんと運営さん、何か欲しいものある?」


「珍しい食材がありますから、それを少し」


メイちゃんの意見は賛成だ。

買い占めてもいいしね。

シツジローくんは農具が欲しいらしい。

運営さんはよくわからないものを売っている屋台をのぞいてる。


「運営さん、それは何?」

「いや、わからぬ」


わからないのか。神様なのに。


「アイリーンなら見たことあるのではないのか?これは、こちらの世界のものではないぞ」

「え?」


なんでそんなものがここに?


「どうやらプレイヤーから、そこの屋台の店主の先祖が買ったらしい。なのであちらのものか、プレイヤーが作ったものだろう」


なんだろう。

見た覚えはあるけど、わたしだって何でも知っているわけじゃない。

オリジナルで作ったものなんてわからないし。

でももとになるものがあるはずよね。

竹とんぼ…にみえるけど、なんだったかな・・・・

青い狸のアニメでよく使っていたやつに見えるけど、動かないみたいだし。


「う~ん・・・」

「まあ、回収しておくのはいいことだろう」

「たしかに」


出回ってもわからないものだからね。

ほかにはおいてそうにないし。

それにしても、運営さんのほうが、わかると思うのよね、システム上。

運営さん、首を振っているから、やはりわからないのか。


メイちゃんの言う食材と、シツジローくん希望の農具を買う。

農具、自分で作ったほうがよさそうな気がするけどな。

あとは適当においしいものを買って帰宅。

やっぱり人混みが多いと苦労するな。


「師匠!どこ行っていたのですか!」


家に帰ってそうそう、どうしているのかな、このおっさん。


「王国祭」


たくさんの掘り出し物と食材は、私の空間に収まっているけども。


「おじいさまがおよびです」

「ことわる」

「そこをなんとか」

「自分で来い」


なんで私が行かなくちゃいけないのよ。

面倒くさい。


「というと思いまして、おじいさま、いらしてます」


えー・・・

何人の行動読むかな。

サカイが示す方向。

庭の奥で、精霊の命の木を見ている、スーベニア・サカイ様。

スライムも手にもたれているよ。

なんでなついているのかな。


「庭は寒いですよ、スーベニア・サカイ様」

「お早いお帰りでしたな、アイリーンさま」

「いや、さまづけはやめてよ。それより、どうしたの」


もう、敬語なんて使っていられないよ。

面倒くさそうな予感しかしないし。


「実は、シャイニーグレープを先に献上したのですよ。そうしたら、それを手に入れてきた冒険者を連れて来いと、陛下が」

「いや」

「というと思いましたので、実は陛下も来てます」


なんですと?

聞き間違いかな・・・


精霊の命の木の裏側から、さらにおっさん出てきた。

加齢臭が充満しそうだから、おっさんがそろうのはやめてほしいわ。


いや、それよりも、今日の主役じゃないの?この人。


「そなたは表情で語るのだな。うむ、大丈夫だ。夜に帰れば間に合う」

「人の表情で言いたいこと読むのやめてほしいですが、はじめまして。プレイヤー国出身の、アイリーン・プラム・シュガーです」


礼儀なんて知らないよ。

どうでもいいわ。

いざとなればつぶそう、この国。


とりあえず、私は寒いので、部屋にいれる。

靴を脱ぐ習慣がほぼないらしいけど、消毒と足を洗ってもらって、こたつの部屋だ。


足を突っ込む、こたつの暖かさに驚いていたけど、それは無視。

メイちゃんが紅茶を持ってきて、サカイが毒見してた。

毒なんて入れないけど、いろいろあるようだ。


「われはこの国の国王で、ゼブラフ・ドレーン・グリーンバズスだ」


一息ついて、王様が名乗る。

あれ?この国って、そういう名前なんだったっけ?


<国の名前とは一致しない。グリーンバズスという一族が、今、この国の国王をやっているのだ>


そうなのか。

そのトップがこのおっさんなのね。


「それで、なんですか」


敬語?

そんなもの使わないよ。

私は自由。

めんどうくさいのが嫌い。

私は私が欲しいものだけに興味があるからね。


「ただ、どんな冒険者なのか会ってみたかっただけだ。そうか。プレイヤーか。この国では自由にしてくれていい。後、サカイから聞いたのだが、とある集落の立て直しをしているとか。その集落は、君に渡そう。正式な書類も作らせたら、サカイに持たせる。それより、外の木はすごいな」


精霊の命の木のことよね。


「あんなにきれいな木が、この王都中央部に存在しているとは」

「あれは、精霊の命の木。本来ならエルフの里意外には育たないし、生えることもないのですよ。なのに、間違えて生えたから、何度もきられたけど、この木の保護も兼ねてここにすんでいます」

「あの木は王国で保護しよう」

「エルフの里に返すので、保護はいりません」

「そうか、残念だ」


紅茶と一緒に出されたお茶請けが、プラントグレープなのは気にしないんだな、おっさん。

そのほかに、シルコも。

あ、私の汁粉・・・お代わりしないで!


なんて図図しいんだ、このおっさん二人。

まあいいか。

さらに図図しく、食べまくっているサカイもいるしね。


「それより護衛もつけずにここまで来たのですか」

「護衛は必要ない。なあ、サカイよ」

「陛下はお強いですから」


ん?

どういうことだろう。


「陛下とは学生時代からの悪友でな。こっそり長期休暇に名前を偽って、冒険者登録しては、魔獣狩りやってたんじゃ」

「一応、われもサカイもAランクじゃぞ。城のうるさい奴らに見つからなければ、もっと上を目指したというのに」


なんだこのおっさんたち、脳筋だったわ。

なのに孫のサカイは、ダメ冒険者なのね。


「それに、護衛は撒いてきたから、ここのことは知らんだろう」


まいちゃったんだ・・・

あとで怒られればいい。


「陛下。そろそろ戻りませんと」

「うむ。もうそんな刻限か。誕生日など何もうれしくないというのに」


帰るらしい。

メイちゃんが、手土産を用意している。

できるメイドだわ。

牛が残ったから、それを使ったちょっとした料理と、シャイニーグレープと桃リンゴのパイだって。

私も食べたい。

といったら、私の分もあるって。

できるメイドだー。

入れ物は、空間魔法施してあるし。


見送り後、メイちゃんが消臭剤撒いていたのには、笑った。

運営さんは、ただ黙って話を聞いていただけだと思ったけど、どうやら、姿を見えなくしていたようだし。


王国祭の最初の日。

つかれたなー。

お読みいただきありがとうございます。毎週水曜日更新しています。

誤字脱字報告、評価も、いつもありがとうございます。

来週も更新頑張ろう。

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