8~馬車道って必要だよね その2~
まあだ拠点から出ていかない。
そのグダグダさがこの話のクオリティ。使役獣の紹介でもあります。
目覚めたら、続きの道づくり。
できたであろう場所まで行くと、そこかしこに、魔獣の焼け焦げが。
・・・
私がやったんだねぇ。
仕方ないよね、私が魔法を使った先にいるんだもの。
同じ魔法を繰り返せば、いつの間にか道がまっすぐに抜けた。
馬車で二日分を、移動魔法で移動しながらだから早かった。
あれ?
馬車道いらなくない?
森を抜けてから馬車出せばいいような…
まぁいいや。
森を抜けたら荒野が広がってた。
ここから4日だっけ…
やはり、人の住む場所なんて見えない。ほんとにあるのかな?
フェイク魔法。
森に見せかけておかないと、だれがいつ入ってくるかわからないものね。
私は見破り眼鏡ってアイテムがあるからわかるけど。
このアイテムもってたら、わかるんだよなぁ。
一度家に帰る。
もう昼過ぎてる。
私のおなかは正直だ。
というか、魔法の使い過ぎで、眠い。
魔力減ってないのに、なんでなんだろう。
体力の問題?
精神力?
前世なんて寝ないで仕事なんて当たり前だったのに、今じゃ寝すぎ。
移動魔法で移動しているのに、フラフラだ。
敷地に入ったとたん、眠りこけた。
目が覚めたのは、次の日だった。
おなかのすき具合がピークだ。
でも、いきなり食べると大変だろうからと、優しいメイちゃんが胃にやさしいものをくれた。
でもこの体って、ドールとそんな変わらないよね?
食事を終えたら、いよいよ、私の使役獣たちの出番だ。
空間魔法から出す。
私が初めて使役したのは、プラントだった。
どう見ても食虫植物の大きいやつだ。
動くので、触手がいっぱい。その触手も食虫、というか生物を溶かして食べるみたいだった。
植物なので種で増える。
今じゃ大きなマザープラント。
庭で日向ぼっこしているけど、うちのほかの使役獣たちの教育係でもある。
だから名前は、プラント母さん。
ほかの使役獣たちがいたずらした時など、その触手に閉じ込めて、恐怖を植え付けていた。
なので、いまだに誰も逆らわない。
プラント母さんは、出てくると私を触手でひと撫でして、川のほうに行ってしまった。
水が足りないのかな?
次に使役したのは、イベントで、フェンリル退治をした時だった。
なぜかドロップしたのが、天狼だった。
名前を、シリウスという。
フェンリルは?
と思ったけど、犬は好きなので許した。
その当時は赤ちゃんわんこwだったけど、すぐに大きい立派なオオカミに。
いたずらをしては、プラント母さんに閉じ込められていたので、プラント母さんは苦手らしい。
プラント退治は率先するのにね。
いい子にお座りしている。
その次がガチャであてた、ケットシーだった。
当たりはずれの中のあたりでした。
名前は、しーちゃん。
オトコの娘だったよ。
かわいいぼくっこで、なぜか、シリウスになついてて、シリウスのつがいになりたいのだそう。
無理だから…と思っても言わないのが、使役者のやさしさだよね。
各種攻撃魔法が得意な仔だ。
シリウスに特攻していって、軽くあしらわれている。
その次が、馬車を手に入れたので、馬を捕まえに行って手に入れた、スレイプニルだった。
八本足の魔物だよね。
私のいた地球では、オーディンの馬だったような…
ゲームの中にはいっぱいいた。
名前は、ウーマ。
馬車をほぼ揺らすことなく疾走するので、遠くに行かないといけないときはほんとに役に立つ。
ただ見た目がね…
こぶしで殺しあう四兄弟の長男が乗っていた、黒馬のような巨体だし、目つき悪いし・・・
でも幌馬車を、たった一頭で軽々引くので、ほかの馬車馬は必要なかった。
魔獣も蹴散らすし。
ウーマは、外に出たとたんに、いなないてかけていった。
やはりずっと閉じ込められていたのでストレスがたまっていたのだろう。
森の中で獣たちの断末魔が聞こえる。
聞かなかったことにしておかないとね。
最後に、私が着ている冒険者の服(に見せかけているけどすごい装備品)のおおもとになっている魔獣。ベヒモス。
の、ドロップした、ベビーベヒモス。
名前は、ベヒー。
ベビーとはいえ、大きいのだけど、大きさは自由に変えられるらしく、いつも肩に乗せていた。
見た目がまあるい獣だったから、かわいいんだよね。
この子もまたシリウスが大好きで、シリウスを兄貴と慕う。
やはりシリウスに特攻していって軽くあしらわれ、しーちゃんとどちらがシリウスのそばに行けるかの小競り合い。
楽しそうだ。
ちなみに、プラント母さんと、ウーマ以外は、会話が可能なんだよね。
ゲームシステムなのか、上位の魔物ゆえなのか知らないけど。
<きみのネームセンスは本当にダメだな>
運営さん、ひどい。
わかりやすくていいじゃないの。
それより、ウーマが帰ってこないと、馬車が出せないんだけどなぁ。
まぁ、長い間鬱屈していただろうし、しばらくは自由にさせておこう。
「ほら、みんなー、おうちはいって」
三頭に声をかける。
こちらを向くと、家に入っていった。
ペット部屋はあるからね。
メイちゃんとシツジローくんがかいがいしく世話を焼く。
せっかく馬車も外に出したのになぁ。
今日は行けそうにないな。
まだ朝だし、その辺り見回ってこようかな。
「シリウス、しーちゃん、ベヒー、森の中に行ってみる?」
いうが早いか、ベヒーが肩に乗る。定位置だろうけど、結構重量あるんだな…
森に入ると、早速、魔獣の引きちぎられた何かがあった。
ウーマが、蹴散らしていったのだろうけど、見事にスプラッタだ。
まだ遠くで魔獣の叫び声が聞こえる。
よくこんな森の中を縦横無尽に動けるなぁ。
進んでいくと、まったく獣が出てこない。
シリウスが退屈そうだ。
しーちゃんもベヒーも、退屈してきている。
「帰ろうか」
ウーマが気にすまなければ全滅しそうだが、そうもしないだろう。
ウーマはシツジローくんがしつけているから、ある程度で呼び戻すだろうし。
帰り道は薬草や香草、果物を取りながら進んだ。
種があれば、庭で育てられるからね。
いつの間にか日も高くなり、やはり、旅をするのは朝方のほうがいいよねということで、この日も出ないことにした。
夜は久々に三頭が私の部屋に来てねている。
プラント母さんも、水辺から庭に移動してた。
ウーマ、帰ってきているといいな。
おやすみなさい。
そんなに長くないです