75~ジャムさん、王都中央部に来る~
いつもお読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、家から出ること自体しておりません。
今回はジェヌが王都中央部にきてます。
雨季も終わる。
寒い。
家からほとんど出ない日々だ。
私は寒いのも暑いのも嫌い。
一日中、あたたかいとこがいいな。
サカイが来た。
私はこたつから出る気はない。
当たり前のように足を突っ込んでくるのはやめてほしい。
「ジェヌさんを、王都中央部に来ていただいて、あの集落の支部長となるものと引き合わせたいのですが」
「ああ、そう。・・・そうだったわね。シツジローくんに連れてきてもらいましょう」
「ありがとうございます」
「それで、いつあわせるの?」
「今日はもうお暇しまして、本人の都合も聞かないといけませんので、早くても明後日でしょうか」
「わかった」
お茶を飲んでそのまま帰る。
いつもならご飯食べていくのに珍しいな。
外は雨が降っているから、寒いのにね。
「シツジローくーん」
普通に呼んで、すぐにあらわれる。
聞こえるのかな?
ドールは高性能だ。
「ジャムさん連れてきて」
「かしこまりました」
いちいち言わなくても状況が分かるのが、執事というものよね。
さすがだよ、シツジローくん。
私はこのこたつから動かないから、ほんとよろしくね。
少しして、驚愕な表情のジャムさんが現れた。
どうしたのかな。
「いらっしゃい、ジャムさん」
「あ・・・ああ」
「まあまあ。寒いからあたりなよ」
こたつを進め、お茶をメイちゃんに出してもらう。
足は洗ってきているね。
「なんだ、ここは?」
「ん?ポータル通ってきたのよね?」
ポータルのことはジャムさんも知っているはず。
「それでこの家に来たが」
「ここは王都中央部の私の家だよ」
「はあ?」
「移動魔法だからね、早いでしょ」
「おま・・・いや・・・そうか。プレイヤーだからな・・・」
何か納得したらしい。
「それより、サカイ様がおよびと聞いたのだが」
「ああ、早くても明後日らしいよ。それまで王都中央部の観光でもしていなよ」
シツジローくんやメイちゃんが案内してくれるしね。
それにどうせ、夕方にはサカイさんがご飯食べに来るしね。
「メイちゃんが部屋の用意はしてくれるから、しばらくはこの家に滞在しなよ。集落に用事があるなら、シツジローくんに言えば連れ帰ってくれるよ」
「わかった。集落の者たちにはいってあるから大丈夫だろう」
「それならゆっくりしなよ」
紅茶美味しいなあ。
緑茶ほしいけど。
「緑茶が欲しいな」
「りょくちゃ?」
「緑色のお茶」
ちょっと違うか。
どう説明すればわかるかな?
「冒険者だったころ、この国じゃないが、ぎょくろーというものを飲んだことあるぞ」
「玉露!」
「プレイヤーがその国に広めたとかいう話だが、緑色の茶で、こういう入れ物に入っててな。小さな地域にしかなかった気がするが・・・」
身振りで見せた入れ物が、もう、湯飲み茶碗だ。
どこだよ、その地域。
少し渋くて広まらなかったのかな?
ああ、でも、やはりあるんだ。
「米はなかったのかな?」
「コメというのは知らないな。その地域もプレイヤーの子孫が細々と暮らしている場所だったぞ」
プレイヤーは養子とる人が多かったのかな。
「プレイヤー本人は・・・」
「いなかったな」
違うとこに行ったのだろうな。
だれだったのだろう。
それより玉露か。
いや、もしかしたら、ただの緑茶を呼び方を玉露としただけかもしれないけど。
でも、飲みたい。
決まったな。
この国を去ったら、玉露を飲みに行こう。
メイちゃんやシツジローくんなら、サカイさんから場所聞き出せばわかるだろうしね。
「いい情報をもらったわ。これは情報量よ」
空間魔法から金貨を出す。
金貨五枚。
「おい・・・こんなの・・・」
「集落のみんなにお土産でも買ってってあげてよ」
「あ・・・ああ、悪いな」
「すくないけどね」
ああ、でも、緑茶。
手に入る可能性ができた。
あとは大豆とコメだ。
この世界にありますように。
外の雨脚が強くなったころ、メイちゃんがサカイが来たことを知らせてきた。
あとは、サカイとジャムさんが話せばいいことだし、私は関知しないな。
夕飯は、気が遠くなるかと思った。
おっさん二人の食欲が恐ろしい。
家にある食材食いつくす気なのだろうかね。
そのあと二人は遅くまで何か話していたようだけど、私は寝る。
今日も運営さんからの返事もないな。
およみいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字評価ありがとうございます。注意していても、眠くなってきて、誤字が増えます。




