74~サカイ、なんで怒っているの?~
いつもお読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、サカイとこたつでお話合いです。
サカイをポータルで集落に連れて行って、数日後。
私はずっと寝ていたのだけど、毎日のようにサカイが訪ねてきていたらしい。
サカイはシツジローくんとメイちゃんに連れ帰ってもらっていたようだ。
自分の力で帰れるようにならないと、錬金術師としての力量がなあ・・・
今日も雨。
もうすぐ冬だからだよね。
寒い。
今日も綿入り袖なし半纏着て、こたつで紅茶。
緑茶はどこにあるのかな。
ジューノさんなら知っているかな?
勢いよくふすまが開いて、なぜか形相がすごいサカイだ。
「何しに来たの?」
寒いから早くふすまは占めてほしいんだけどね。
「何しにじゃありませんよ!なんですか、あの集落!」
なにが?
いきなり何なの?
それより、足は洗って…来ているみたいね。
メイちゃんに注意されたのかな。
とりあえず、前の席に促す。
メイちゃんが紅茶と茶菓子を持ってくる。
この国って、砂糖と塩はあるからいいわね。
でもほとんど甘味が発達してないのよね。
「何よ、急に」
「何よ、じゃありませんよ。なんであの集落でいやし草を栽培しているんですか!」
「あれは私の家だからいいんだよ。個人ならいいんでしょ」
「集落の人が面倒見ているじゃないですか!」
どうやらジャムさんから聞いたらしい。
いずれは話さなければならないことだし、いいか。
「あの土地で栽培できるかのためしだし、そのうちあの場所できちんと栽培できたら、名物になるでしょ」
「それはそうですが・・・」
「他国から輸入しなければいけないより、自国で栽培できるようにしたほうが、安くできるでしょ、ポーション」
「しかし、ポーションを作れるものが少ないです」
確かにそうだった。
薬師たちが作るのは、偽のポーションであとは輸入品だ。
「サカイがさっさと各種ポーション作れるようになればいいんじゃない?魔力量を多くする修行でもしなさいよ」
「しかし・・・」
「弟子でも取りなさいよ。・・・まだ一人前にもなれないあなたじゃ無理なの?」
「無理ですよ!まだやっと作れるようになっただけですよ?」
「集落でも誰かに教えるかな・・・」
あの子供たちには教えよう。
あの集落に、早く若い人が住み始めてくれないかな。
「それにあのポータルですよ!移動魔法なんて」
「だめなの?」
「誰でも使えるようなのは防犯上作ってはいけないのです」
「誰でも使えるわけじゃないよ。それに魔力がある程度ないと使えないしね」
「たしかに・・・」
「あの魔法は、プレイヤーならば当たり前に使えるし、みんな設置してたよ」
サカイは急に考え込んでる。
「それは・・・ほかのプレイヤーも、先祖サカイも、どこかにポータルがあるということですか?」
「あるでしょ。この国かほかの国かは知らないけど」
「・・・そうですか」
サカイの怒りも収まったようでよかったわ。
何が怒りポイントだかわからないけど。
「それより、具体的に決まったの?」
「ギルドの支部ですか?」
「その話をしに行ったのよね?」
「決まりました。春になったら建物を作り始めます。きちんと始まるとしても、来年以降でしょう」
「建物なら私が作っておくよ」
「いいのですか!」
「建物の設計図があればね」
「わかりました。持ってきます」
ほかにいろいろ話したけど、ギルド長となるものの選定が始まったということはわかったし、よかったよね。
また今度、集落行かないとな。
冬になる前に終わらせよう。
今日はもう、寒さで眠い。
「運営さん、今月も帰ってこないかな」
布団にくるまり眠る。
ちょっと寂しいな・・・
お読みいただきありがとうございました。今回短いです。
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