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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
65/281

65~ほかで育ててみようかな~

いつもお読みいただきありがとうございます。毎週水曜日更新しております。

居眠り女主人公、いろいろ考えているようです。

気持ちの良い秋空。

拠点で果物狩りしながら、こちらでもいやし草を植えてみる。

ここは、プラント母さんが面倒見てくれるから、野菜も果物もおいしい。

冬の間はどうなるかわからないけど、それまでにどれほどか生えてくれると嬉しい。


王都中央部の家に戻る。

朝から刈り取られているはずのいやし草は、もう伸びてる。

ここでは成長が著しいからね。


「ねえ、メイちゃん」

「はい」

「ここや拠点でなくても、いやし草は育つのよね?」

「森に生えているものですから」

「だよね・・・。栽培ってどうなのかしら?」


いやし草が貴重なのは知っている。でも栽培しているところがあってもおかしくないよね。

偽ポーションがあるのだし。

サカイさんは森の中に採取に行っていたけども。


「栽培権利は誰が持っているのかな?」

「申し訳ございません、お嬢さま。存じ上げません」

「そうよね・・・」


知るわけないよね。

ここでこんなに勝手に栽培しているけど、大々的に栽培できれば、貴重品ではなくなる。

錬金術師も増やせるだろうし。


「サカイ様にお尋ねしてはいかがでしょう」

「ああ、そういえば、サカイさんは一応お国の役人の一人だったわね」


いつもただ飯食べに来る、押しかけ弟子としか思ってなかったけど、あの人冒険者ギルドの副ギルドマスターだわ。

夕方まで待てばいいってことね。


夕食時、当たり前のようにサカイさんがいる。

メイちゃん特製の夕飯を、勢いよく食べている。

加齢臭のするおっさんだけど、きれいな人だと最初は思ったけど、ダメ男だよね。


食後のお茶は、いやし草の乾燥させたものを飲む。

体にはいいのだ。


「ねえ、サカイさん」

「はい」

「いやし草の栽培権利ってどうなっているの?」

「栽培権利ですか?」

「そうよ。ここでは当たり前に栽培して作れるけど、本来誰かが持っているものなの?」

「栽培はこの国ではされていませんね。他国からの輸入と、自生しているものが出回っているものです」

「輸入?」

「ほかの国には、いやし草を栽培できる環境があるようです。昔プレイヤーが教えたとか」

「ああ、そういう・・・」


栽培環境を整えることが大事なのか。


「それじゃ、どこで作ってもいいのよね?」

「ほんとにこの国の中で作れれば、それは公共事業となります」


公共事業なのか。

なんだかいやだな。


「私はね、あの集落にいやし草を栽培させたいのよ」

「あそこにですか」

「そうよ。先になるけど、冒険者ギルドの支部もできる。人々が来るようになるでしょう。集落もにぎわうようになれば、今は老人ばかりだけど、若い人や集落から出た人が戻ってくるかもしれない。でも、あそこには、麦しか生産がないのよね」


未来がない。

近くにあんなににぎわう街があるが、過疎化しているのだ。


「だから、いやし草をですか」

「そうよ。そこで作れるようになれば、いい収入になるでしょ。偽ポーションだって、いやし草が必要なんだから、錬金術師がいなくても必要でしょ。冒険者もいつでもポーションが買える状況ができれば、ポーションの値段も安くなって、もっと広まるでしょ」

「・・・わかりました。ギルドマスターに相談して、あちらの集落とも掛け合ってみます」

「よろしくね。ジャムさんにも一応私からも聞いてみるわ」

「はい」


あとは、水と土と木の魔法使いを育てるだけだな。

あちらの老人にもいたよね。

水はあのご夫婦の奥さんで何とかなるとして、ご主人や上の子供は何の魔法が使えるだろう。


「師匠、時間がかかると思いますよ。すぐとは言えないです。あちらに行くにも、転移魔法陣を使わなければですから」


私が何か考えているのが分かったのか、サカイさんからくぎを刺される。

大丈夫なんだけどな。

ポータルで移動するし。


「冬っていやし草は育つのかしらね」

「雪の下に少量なら生えますが、やはりあまり・・・」

「そうなんだ。そこも考えないとね」


難しいかもしれないけど、あの集落に未来を残さないとな。


「師匠、今日はこれで失礼いたします」

「うん。頼んだわ」

「承知しました」


まあ、あてにはしていないよ。

公共事業にしないといけないようなら、長くかかりそうだし。

これから冬だからな。

ここから出るための支度の一つだけど、まだかかりそうだわ。

春には出られるかな?

運営さんも帰ってきてないしな。


お読みいただきありがとうございました。

ほんと秋は日が暮れるのは早くなりましたね。

残暑も厳しい。

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