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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
60/281

60~プラントグレープは貴重らしい~

お読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、寝てません。

今回は、前回の果物を調理してます。キノコ狩りはまた次・・・かな。

とってきた果物。

ザクロとブドウとナッツの木。

これだけだ。

家には確かに、レモンも桃リンゴもあるけど・・・

それだけでは足りないよ。

梨とかも欲しかったな。

私の好物のプラムは、この森にはないのかな。

ゲームの中では見たことないけど。


「お嬢さま、この果物は、なんの料理に使いましょうか」


ブドウは果実水になるけど、桃リンゴも、一年中なっているし。

ザクロも・・・ジュースかな?

あとは普通に食べるのかな?


「ナッツ類はクッキーとか作ろう」

「くっきいですか」


あ、クッキー知らないんだな。

レシピ本を見せると、すぐに理解したみたい。

メイちゃん、優秀。


ブドウも、ケーキとかにしたいな。

幸い、ミルクはある。卵もある。

小麦粉は当たり前のようにあるから、タルトにしよう。


早速作り始める。

メイちゃんが。

私は、材料をむいたり、むいたり、むいたり…

料理スキルのレベルはまだ低い。


「いっぱい作ってね。ジューノさんご夫婦や、あの集落にも分けましょう。後、仕方ないから、サカイさんとがるがるさんにも」

「承知しました」


量を作るのは、メイちゃんは、苦ではない。

私は、皮むきがちょっと億劫だ。

シツジローくんは、野菜など、収穫したものを、きれいにして、倉庫や王都の家に持って行っている。


あらかた作り終えたころには、夕方だった。

秋もまだ早いから明るい。


「届けに行きましょう」


空間魔法で収納して、まずはジューノさんの店だ。


門前街は、夕方はまだ人通りは多いらしい。

ジューノさんの店も混んでいた。

顔を出すと、きつね獣人の奥さんが、とても歓迎してくれた。

従業員に指示を出して、裏に引っ込んでくる。


「ジューノさんは?」

「今日は寄り合いで、昼から出ているんですよ」


寄合ですか。大変だな。そんなこと言っていると、ちょうど帰ってきた。

あいさつをする。そして目的のものだ。


「これ、作ったので食べてください」


プラントグレープのタルトと、ナッツクッキー。

従業員さんの分も、ホールで渡しておく。

いつでも食べられるように、三桁くらい作れたから、ジューノさんの店の従業員くらいは余裕だ。


「こ・・・こんなに?しかもこれ、プラントグレープでは・・・」


お?

見てわかるんだ?

私には普通のブドウに見えるけど、違うのかな?


「こんな貴重なものを、菓子に・・・」

「きちょう?」


どの辺が貴重なんだろう。


「プラントグレープは、中位冒険者以上でないと討伐できないプラント種が、時折実をつけているのですよ」

「そうなの?」


まだかごいっぱいあるんだけどな、家に。

プラント母さんの子供たちは、結構強いのかもしれないな。


「もしかしてまだお持ちなのですか?」

「お菓子なら、配るためにいっぱい持っているわ」

「いえ、プラントグレープです」

「うん?あるよ」


ジューノさんが驚いた顔をしている。


「少し譲っていただくわけには・・・」


いかないですよねぇ・・・とため息ついている。


「シツジローくん、持ってきてあげて」

「かしこまりました」


数分待つと、シツジローくんが、果物かごにプラントグレープを持ってきた。

10房くらいだけど、いいよね。

それでも山もりなんだし。


「こ・・・こんなに」

「少ないけど、どうぞ」

「ありがとうございます。お題は払います」

「きにしないで。その分をあの集落に回してくれるといいんだけど」

「・・・承知しました」


ジューノさんが少しあきれた様子だ。

狸顔だからよくわからないけど。


「次に行くとこあるから、またそのうち来ますね」

「いつでもいらしてください」


ご夫婦と別れ、次は集落だ。


集落のあの家を買ってあるから、そこに飛ぶ。

どの部屋もきれいにしてもらえてる。

毎日誰かが掃除に来ているようだ。


ジャムさんの家に行き、お菓子を出す。

ジャムさんも呆れた顔をしていたけど、集落のお年寄りたちに、あのご家族を使って分けに行ってくれた。

ここもすぐにお暇する。


あとは、王都の家。

暗くなってきたな。


「明日でいいかな?」


どうせ時間経過ないしね。

メイちゃんが夕飯の支度はじめているし、シツジローくんは朝できなかった庭仕事今少しだけやっているし。

夕飯時間になっても、珍しくサカイさんが現れなかったけど、どうしたのかな。

運営さんもまだ仕事だな。


疲れた体にお風呂はサイコーだ。

よく眠れたし。


朝は、少し曇り空だった。

朝といっても、結構な時間はたったらしい。


「お目覚めですか、お嬢さま。サカイ様が、朝からお嬢さまをお待ちです」


洗顔と身支度を整えて、食堂に向かう。

ご飯食べながら待っていた。


「おはようございます、師匠。昨日はどこに行っていたんですか。心配しましたよ!」


朝からうるさいな。


「秋の味覚狩りに行ってきた。いちいち知らせる必要ないでしょ」

「そうですけども・・・」


何かごにょごにょ言っているけど、どうでもいいや。


「今日のご飯だって、昨日とってきた野菜とかだから」

「おいしいです」


あんたはいつも、メイちゃんのご飯美味しいんでしょ。


「こんな時間だけど、サカイさん、仕事は?」

「昼からにしてもらってます」


そんなどや顔で言われても、サボりにしか思えないんだけど?

まあいいや。


「ごはん食べたら、冒険者ギルドいくよ」

「何か依頼を受けられるのですか?」

「違うよ。おいしいお菓子作ったから、サカイさんにも、がるがるさんにもおすそ分け。冒険者ギルドの職員の方々にもね」


いっぱいあるからね。


「それは楽しみです」

「サカイさんは、デザートに食べてく?」


メイちゃんが、お菓子じゃなくて、プラントグレープそのものを出してきた。

そのまま食べられるし。


「こ・・・これは・・・」

「プラントグレープだよ。おいしいよね」


私も食べる。

サカイさんが驚愕な表情で、プラントグレープを見ている。


「嫌いなの?」

「まままままさか・・・」


すごい顔して、おそるおそるとプラントグレープを食べ始めた。

変な人だ。


「ついでに、スーベニア・サカイさんや、あのお屋敷の方にも、同じものをどうぞ」


バスケットに、時間経過なしの小さな空間魔法を付与したものを渡す。

プラントグレープとクッキーとタルトと各種の果実水だ。


「スーベニア・サカイさんには、こちらのバスケットね」


ちょっと高級な感じのバスケットだ。空間魔法の付与も、荷馬車一つ分くらいにはしてある。

中身は、プラントルビーとプラントグレープと果実水とクッキーだ。

中を出すまではわからないからどうでもいいか。


「祖父にもですか!」

「だって、他の人にあったことないし」


サカイさんの家族構成なんて知らないよ。


「ありがとうございます」


ものすごくありがたそうに受け取ってくれたからよかった。

バスケットも、いくつか用意しておいてよかったな。

また、市場にいったら買ってこよう。


冒険者ギルドは、もう閑散としていた。

サカイさんに通されて、がるがるさんの執務室。


「こんにちはー」

「おう・・・サカイが、昨日、お前がいなくなったと騒いでいたぞ」

「果物狩り行ってきたの」

「ほう・・・」


がるがるさんにバスケットを渡す。


「ご家族でどうぞ」


中身はスーベニア・サカイさんに上げるものと同じだ。ちなみにサカイさんの分も同じものだ。


「あと、こちらは冒険者ギルドの職員の方でお分けください」


ホールのタルトだ。

全員分あるはずだ。

サカイさんが人数を間違っていなければの話だ。


「ちょ・・・おい、まて。この乗っているのって、プラントグレープか」

「そうですよ」


やはりわかるんだな。


「おま・・・こんな貴重なものを、菓子になんて・・・」

「嫌いなんですか?」

「き・・・きらいじゃないぞ!」


それなら何を言いたいのかな。

おうち用にはほかに果実水とクッキーとブドウも入っていることを伝える。


「おまえな・・・」


何やらあきれた感じだけど、どうでもいいか。

サカイさんが、女性職員を何人か呼んできた。

ホールタルトに大喜びだ。

一人一つずつ渡すようにお願いしたけど、大丈夫かな。


「あー、サカイ。お前はアイリーンを送って帰れ。後、うちのに、伝言も頼む」

「はい」


サカイさんは、今日はお休みになってしまった。

いいのかそれで。

送られながら、プラントグレープが貴重で、このお菓子がどれだけの価値なのか聞かされたけど、わからないな。


今日はもう出かけないし、寝よう。

運営さんにも早く食べさせたいな。


およみいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。ちょっと長くなりました。

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