6~汚いままいたくない~
6話目
まだ拠点からさほど離れません
寝袋…ではなく、きちんとベッド。
寝具にはこだわってます。
何故かって?
現実世界では、こだわる暇なかったからだよー。
特大サイズのベッド。
ふっかふかの布団。
シーツも枕も総シルク。
寝心地良さを追求させてみました。
どれだけこれに寝られたら、心地よいだろ。
ゲームをプレイしながらいつもおもってた。
せっかく起きたけど、もう一眠りしようかな。
トントン
扉をノックされた。
「お嬢さま、お目覚めですか?」
メイちゃんだ。
仕方ない、起きるか。
クローゼットから、着替えを取り出し、素早く着て、扉を開ける。
「おはよう御座います、お嬢さま。まだ、きちんとお目覚めではないのでしょうか。2日ほど経過しております」
マジかー…
ゲームより寝坊助だよ。
このままだと、惰眠、取れないよね…
なんで起こしてくれないのよ、運営さん!
〈話しかけたが、反応しなかったぞ〉
!!
夢の世界は、現実全否定かな。
「おはよう、メイちゃん」
笑むとメイちゃんが、タオルを渡してくれた。
気持ちいい感触だ。
そのまま、部屋の洗面台で、朝の洗顔。
…
洗顔フォームないよ。洗顔後の保湿も大事なのに。
そういえば、この世界の石鹸事情って、どうなってるの?
お風呂入ったら、体洗いたいし、髪の毛もいたわりたいわ。
運営さん?
〈キミたちが使っていたような石鹸ではないが、あるにはある。だいたい、錬金で作れるだろう〉
そうだった。
こういう時こそ、錬成すればいいんだ。
そうと決まれば、レシピ、レシピ。
石鹸レシピあります。
なんでこんないろいろあるかな?
ボディソープと洗顔フォーム、洗濯用石鹸各種、シャンプー、トリートメント、コンディショナーですね
運営さん?
こちらはこんな発展してる?
〈プレイヤー国にはある、という設定だからな〉
都合いいな!
まぁいいや。
空間魔法の中に入ってる、腐らない各種消耗品。
いくつか取り出して、まずは錬金。
素材変化。
鍋を用意して、コトコト煮込みながら、魔法をかける。
で。
小さな器に取り分けた後、各種石鹸に変えていく。
固形、ではなく、液体。
体用と洗顔は、固形でもいいかな?
でも、面倒だからこのままでいいや。
洗髪剤は石をガラスに変化させ、瓶にして、その中に入れる。
瓶に、わかるように色を付けた。
「よし、完成」
いくつか作ったから、メイちゃんとシツジローくんを呼ぶ。
2人に説明して渡した。
「すぐに入浴の準備、致しますね」
お辞儀してさった2人を見送って、洗顔石鹸を部屋に運ぶ。
私は部屋でつかうからね。
ああ。
それにしても、何日振りなんだろ、お風呂。
完備されてるから、シャワーあるし、湯船あるし。
きちんと排水もされる。
はっきり言って、私が住んでたアパートより、贅沢だ。
洗濯機もあるし。
…洗濯機は、まだ稼働できてないかも?
「メ…メイちゃーん」
呼ぶと、すぐに扉がノックされた。
「お呼びでしょうか、お嬢さま」
「うん、呼んだ。洗濯機、使えてないよね?」
「水のスライム核石のみセットしてあります」
「ああ、そうだよね」
部屋が夜でも明るいから忘れてたけど、これは、あかり玉による、魔道具だもんね。
「すぐに雷の作るね」
残ってるスライム核で、雷魔法をしみこませ、核石をいくつか作った。
研磨は、2人に任せる。
家電だけ、なんでこんな、地球のものばかりなのよ、と思ったけど、それがプレイヤー国にあるもの、と認識されているなら仕方ないよなぁ。
冷蔵庫には氷の核石だけだったけど、炊飯器あるわ。
オーブンは火の核石か。
こうしてみると、いろいろなものが核石頼りだ。
スライムには、たくさん犠牲になってもらわないとな。
久しぶりの湯船に浸かりながら、外に出ることも考えないととおもう。
調味料とかもほしいし。
だいたい、この森の深さがわからないし、街が近くにあるのかもわからない。
朝風呂(もう昼だけど)を終えて、美味しいご飯をいただきながら、2人に提案。
たいした反対もなく、しかし準備があるからと、翌日に森に入ることにした。
まあ今日はいいや。
家電の稼働で疲れたし。
夕方だけど、もう寝よ。
ああ…
この肌触りの良さは、本当に気持ちよく眠気話誘うわ。
おやすみなさい
短いです