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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
59/281

59~秋の実りはほしい~

いつもお読みいただきありがとうございます。

居眠り女主人公、今回は積極的に動いております。


秋といえば、おいしいものがいっぱいみのる。

前世の私の場合は、ほとんど、そんなものにも意識が向かず、コンビニのお弁当だったけど。

コンビニだって、その時期限定のおにぎりがあったりして、季節は感じさせていたはず。

適当に残っているものしか手に取らなかったし、それが季節を表しているのかわからなかったけど。


此方に来て、春と夏を超えた。

一年の半分近くは終わったはず。

それならば、おいしいものを探してもいいんじゃないかな。

私はおいしいものを食べたいがために王都にやってきたわけだし。


秋。

天高く馬肥ゆる秋。

・・・うちのウーマは、これ以上立派になったら、覇王の馬よりも強烈なオーラを出しそうなので、穏やかでいてほしいけど。


それより、おいしいものだ。

私がここで認識して食べた果物って、桃リンゴとレモンくらいじゃないかな?

秋になれば、もっとおいしいものができるはず。

拠点に戻れば、そこは森の中なんだし。


決まったら即実行。

拠点に戻ると、プラント母さんが、野菜を抜いていた。

ここの収穫は、メイちゃんとシツジローくんとプラント母さんがやっててくれる。

今日のご飯は野菜炒めがいいな。

私のは肉を入れないでほしい。

この体は若いし病気にもならないけど、前世の私の年齢から、もう、胃がちょっと・・・になってくるから。

考えてみたら、肉の消費より、取ってくる量のほうが多いよね。

従魔たちだけでは食べきれないからね。


拠点の果物の木も、おいしそうな実を付けている。

プラント母さんが、丁寧にもぎ取って、収穫かごに入れてた。

あの姿だけ見ると、プラント種最強には見えないよね。

おだやかだし。


庭の椅子に座って、それを眺めてるけど、今日はそれだけじゃない。


「メイちゃん、シツジローくん、準備はいい?」

「「はい」」


収穫かごを背負った二人とともに、森に出発だ。

もちろん、従魔たちも連れていく。

まあこの子達は、自由に動くだろう。

ちなみに運営さんは、お仕事だからいない。


「どんなものが取れるかなー」

「この時期ですから、きのこでしょうか」

「きのこかー。鑑定で見ないと食べられるかわからないよね」

「そうですね。毒キノコの知識はありますが、鑑定したほうが安全だと思います」


私は知識ないから、鑑定頼みかな。

でも、錬金のための素材は、毒キノコもあるよね。


「小さいかごも渡しておくね。こちらには、錬金素材用に毒キノコ入れてって」

「かしこまりました」


拠点から出て、森の中。

整備なんてされていないから、木が折れてたり、草が茂っていたり、道はない。

魔獣の泣き声もしたり。

鳴き声じゃ無く、泣き声。

うちの従魔たちが追いかけているようで、必死な声がしてる。

ここの生態系は変わってきているのかもしれない。


「木の魔物とかもいるのかな?」

「プラント種ですか。プラント母さんの子供たちが、そこここで、見張っててくれますから、木の魔物は手だししてきません」

「ああ・・・そうなんだ・・・」


ここに生息する木の魔物は、制圧済みなのかもしれない。

大小の木から生えてくる触手が、こちらに手を振っている。

完全にこの森はうちのコたちの庭だわ。

プラント母さんの子供たちは、私がテイムしているわけじゃないんだけどね。


触手がちょんちょんと私の肩をたたく。

振り向くと、どこかを示している。

そちらを見ると、果物の木があった。

実が、大玉スイカ並みにに大きい。


「これは・・・ざくろ?」


鑑定しても、ザクロだ。

ザクロってこんな大きなものだったっけ?

まともに見たことないからわからないな。

でもこんなに大きなもの、どうやって取ろうかな。

ければ落ちてくるかな?


考えていると、触手がザクロをもぎ取って、こちらに差し出してきた。

手伝ってくれるらしい。


「ありがとう」


いくつかを残して、ザクロの収穫を終えた。

食べ方はあとで聞こう。


「ブドウとかもあればいいのに」


森にははえていないかな。

山ブドウとか、つるみたいなのになるんだよね?


また触手が肩をたたく。

そして、なぜかプラントの触手にブドウができていた。

緑色だ。マスカットみたい。


「え・・・」


生えるの?

なんで?

鑑定したら、プラントグレープって出てきたけど。


プラントグレープ


プラント種が、えさとなる動物をおびき出すためにはやす緑色のブドウ。

たべるとすごく甘くておいしい。

高級品として、取引されている。

まれにプラントルビーと呼ばれるものもあり、一粒でも貴族街に家が買えるほどの高級品。


そうか。

プラントから生えるんだ、ブドウ。

いや、ちがう。

ワインとかあるようだから、普通のブドウもあるはずだよね。

でも、これ、どうやらくれるらしい。


「ありがとう」


収穫すると、20房くらいある。

これは、成長魔法をかけてやるべきだよね。

ほかのプラントたちも、ブドウをはやした手を寄せてきた。

メイちゃんとシツジローくんに収穫させ、みんなに成長魔法をかける。

この森は、人間が入ったら、恐ろしい思いをしそうだね。


そのほかに、ナッツ類がいろいろ生えている木があった。

これはもう、根こそぎ持って行って、拠点に植えたい。

引っこ抜いて、空間魔法に入れる。

一粒だけ実を取って、その木が無くなっている穴に埋めた。

成長魔法をかける。

そのうち大きな木になるだろう。


「お嬢さま、一度家に帰りましょう。果物でかごがいっぱいです」

「そうね」


空間魔法があるから、あまり気にしなくていいんだけど、せっかくそういう日にしたのだし、帰路につく。

シリウスもしーちゃんもベヒーもウーマもキドナも、そのうち戻ってくるだろうし。


お昼も過ぎたし、庭でバーベキューだ。

でも今日はこれでいいかな。

そういえば、何を取りに森に行ったんだっけ?


ちなみに、プラント母さんにプラントグレープのことを話したら、プラント母さんもグレープを実らせた。

40房もある。

半分が紅い。

プラントルビーだ。

どうやらマザープラントになると、実らせることができるみたい。

プラント母さんはすごいな。

およみいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。

拠点の森の収穫は、次回も続きます。


ちなみにサカイさんは、訪ねて行ったら誰もいない(運営さんは体を部屋に置いてお仕事に行っている)ので、朝食にありつけませんでした。

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