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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
50/281

50~キドナの故郷~

お読みいただきありがとうございます。

居眠り女主人公、寝てますね。

毎週水曜日更新させてもらってます。

ここはどこだ?

確か私はギルドの宿舎で寝たはずだ。

知ってる天井がある。

馬車の中のようだ。


わかってる。

寝たら、起きられなかったのだよね。

それで、シツジローくんか運営さんが、連れて出てくれたのだよね。

やはり魔力を全回復しないと起きられないみたい。


「おはよう・・・」


まだ眠いけど、おきておかないと・・・

依頼の、移動中なんだし。


「お目覚めですか、お嬢さま。もう少ししたら、本日の野営場所につくようです」

「やえいばしょ?」

「拠点となる村までは、まだ先でございます」


そうだった。

二日かかるっていてた気がする。

ウーマ単独の馬車なら、すぐに行きつくだろうけど。


「この馬車が先頭を走っております。シツジローの横で、サカイさんが道案内をしております」

「そうなんだ」


何ちゃっかりこの馬車に乗っているのよ、サカイ。


「ここは森の中でございます。王都中央に行くときに通った森ですので・・・」

「ああ・・・えっと・・・キドナがいたとこね」


外をのぞくと森の中をゆっくり進んでいる。

魔物除けを付けているけど、先ほどから、木々が動いているよ。


「キドナを連れてまいりましょう」

「ああ、そうか。さっきからついてきているのは、キドナの仲間ね」


ボスから預かったキドナだ。

きっと、ウーマがこの森に入ったことで、来たのが分かったのだろう。

キドナはいないけど。


「野営場所についたらキドナを連れてきて」


馬車にも魔法陣が書かれているけど、サカイが乗ったことにより、布で隠されている。

見せたくないものだ。


ぼんやりと森を眺めていたら、馬車が停まった。

少し広い空間だ。

道からはほぼ逸れていない。

次々と馬車が停まっていく。

どうやらここが野営場所らしい。


サカイさんが外でほかの冒険者に何やら指示を出している。

その間に、メイちゃんにキドナを連れてきてもらう。

キドナは、私に会うと少しおびえるけど、それでも誰が主かわかるようで、腕に抱きついてきた。


「キドナ。ここはあなたの故郷よ」


かわいいサル顔のキドナが、首をかしげる。

外に連れていくと、がさがさと数匹のキドナップバブーンが姿を現した。

途端に冒険者たちが戦闘しようと体制に入る。


「待ちなさい。このキドナップバブーンは私に用があるのよ」


冒険者に圧を飛ばす、

ここで殺生なんかごめんだわ。


「サカイさん、私はこのキドナップバブーンたちと用事があるから、ほかの人たちを抑えておいて」

「承知しました、師匠」


まったく。

けんかっ早いな、もう。


「ごめんなさいね、キドナのいた群れのキドナップバブーンよね?」


キドナは、嬉しそうにそちらに向かおうとしている。

けれど、違ったら困るし。

他より大きなキドナップバブーンが、頷いている。

見たことある個体だ。

ボスかな?

キドナもうれしそうだし。


「ほかの仲間たちも連れていらっしゃい。ご飯をあげるわよ」


キドナの鉱物は、メイちゃん特性の、フルーツベースの魔獣餌だ。

もしかしたらきにいってくれるかもしれない。


「お嬢さま、こちらにキドナップバブーンがたくさん来たら、ほかの冒険者の迷惑になります」

「そう?・・・それじゃ、こちらが出向いたほうがいいのかな」

「食料だけあげて、持ち帰らせたらいいのではないでしょうか」

「そうね・・・、ボス・・・よね、あなた」


キドナップバブーンがうなずく。

言葉は通じるのだ。

結構な知能を持っているのだ、キドナップバブーンは。


「このかばんに食糧を詰めておくから、群れに持って帰りなさい」


使い方を説明する。

わかったらしい。

メイちゃんがたくさんのキドナ用の餌をバッグの中に入れていく。

ある程度入れるとボスが頭を下げてきた。


「明日の朝までにキドナを帰してくれるなら、連れ帰ってもいいわ。後、ここにいる冒険者を襲わないでほしいわ」


キドナはまだ遊びたそうだったので提案してみる。

深くうなずいて、ボスはキドナを連れて去っていく。


野営場所で、サカイやほかの冒険者が、ただこちらを見ていた。


「この森ではキドナップバブーンに襲われることはそうそうないと思うわ」

「ししょ・・・アイリーンさん、あのキドナップバブーンたちはいったい」

「うちの使役獣がいた群れよ」

「先ほど腕にくっついていたキドナップバブーンですか?」

「そうよ。明日の朝にはキドナは帰ってくるそうよ。襲わないようにも言ってある」

「は・・・ははは・・・」


乾いた笑いをしているけど、襲われないことって大事だと思うのよね。


メイちゃんがご飯の用意をしている。

大量だ。

うちの量より食べる人がいるからね。

なんでここで食べるのか疑問よ。


あまりにもおいしそうなにおいだったのだと思う。

ほかの冒険さやがガン見している。

わかるよ。

おいしいにおいのほうはつい見ちゃうよね。


「メイちゃん、あちらにも」


さらに大量に作らせるのはかわいそうだけど、メイちゃんとしてはいいらしいし。

冒険者にもふるまった後は、早々に寝る時間。

家で、野営の見張りは、シツジローくんにやってもらう。


「ふああああ。眠いわ」

「珍しく、こんな時間になっても起きているからだな」

「仕方ないでしょ。運営さんは、上は大丈夫?」

「うむ。しばらくは大丈夫だろう」


信用できないけどね。

クッションに顔を埋めると、眠さがピークだ。


「おやすみなさい」

「ああ、おやすみ」


明日は、目的地の村につく。

どんな冒険となるだろう。


およみいただきありがとうございました。

今回少々短いです。

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