48~夏の終わりの依頼~
いつもお読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、最近寝てませんね。
今回は短いです。
夏は夜。月のころはさらなり。
誰が書いたお話だっけ?
昔授業で習った。
そろそろ夏も終わる時期だ。
朝も夜も空気がかわってきた。
運営さんが帰ってきたのは、夏も中旬を過ぎたころだった。
疲れているらしい。帰ってきても動いていなかった。
それから少しずつ動くようになって、今では普通に会話もできてる。
聞いてもないけど、システムが壊れてて、雨が降らなかったのだといってた。
これから来る、秋、冬、雨期の時期は、例年以上の雨が降るという。
一年に振る雨をそこに集中させるからだとか。
冬に多いと、雪が多くなる可能性があるし、嫌だな。
今は夜だ。
なぜか当たり前のようにサカイさんがご飯を食べている。
うちのエンゲル係数って、サカイさんが押し上げてないかな?
絶対ここにいる人数の量の倍は食べている気がするんだよね。
メイちゃんのご飯がおいしいのは、当然のことなんだけどね。
「師匠、明日、冒険者ギルドに来ていただけますか」
食後のお茶を飲みながらサカイさんが言う。
なんで?
暑い中歩き回るの嫌なんだけどな。
「師匠にも力を借りたいことがございます」
そうか。
それなら仕方ないか。
プレイヤーに力を貸してほしいなんだいとは、なんだろう。
力押しのことなんだと思うんだけどね。
「わかった。何時ころいけばいいの」
「朝は混みあっていますので、昼過ぎころに来てください」
「わかった」
「お弁当作ってきてくださるとうれしいです」
「・・・メイちゃんに頼んで」
「メイさん、お願いします」
がばっと頭を下げるサカイさん。
メイちゃんは一応人妻なんだよ?
まずはシツジローくんに言うのがよいだろうに。
メイちゃんも困り顔だ。
「側溝の掃除が、スライム一匹だけではやはり行き届かないんですよね」
シツジロー君が、あごに手を当てて言い出す。
「明後日が休みなので、やらせていただきます!」
サカイさんが、「なので、お弁当を」と頼んでる。
シツジローくんが頷いて、メイちゃんも了承した。
それでいいのか、サカイよ・・・
まあ、ギブアンドテイクということで、いいよね。
サカイさんが帰った後、シツジローくんが増えていたスライムを一匹だけ残して拠点に持って帰っていた。
ひどいなあ。
翌日のお昼過ぎ。
わたしたちは四人で行動。
道中で露店を見たりしながら、冒険者ギルドへ。
カウンターでサカイさんを呼び出してもらうように言う。
すぐに反応が返ってきて、近くの人に頼んでいた。
冒険者はこの時間はほぼ来ないようだ。
閑散としている。
掲示板も、常時依頼以外は張ってなかった。
サカイさんが来て、ギルドマスターの執務室へ。
開けたとたんの加齢臭に、気が遠くなるかと思ったわ。
「よく来たな。まあ座れ」
いわれる前から座っているし、サカイさんのお弁当のバスケットは、サカイさんに渡してある。
ギルドマスターの分もだよ、といっておいたから、二人で食べるだろうかね。
「実は頼みたい依頼があるんだ」
「依頼?」
「高位冒険者にしか出していない依頼だ。引き受けてくれると助かる」
どうりで掲示板には張っていないわけだ。
「面白い依頼?」
「面白いかどうかはわからないが」
ギルドマスターがるがるさんが、依頼書を手渡してくる。
「なに?蛍狩り?」
蛍狩りって、なに?
聞いたことある気がするけど、ゲームの中じゃそんなイベントなかったような。
運営さん、知ってる?
<文字通り、蛍を狩るんだ>
いやいやいや。
おかしくない?
わたしの前世には、蛍なんて見たことなかったよ。
「とにかく、一週間後、依頼の場所に行ってくれ。依頼主がそこで待っているから」
「わかったわ」
来週にならないとその依頼は発生しないのかな。
帰路につく。
なぜかその夜もサカイさんが来て、その日は一緒に依頼の場所まで行くという。
道案内いないと困るし、いいか。
そのころには本格的に夏も終わるな。
お読みいただきありがとうございました。
毎週水曜日更新しています。
依頼場所は来週の更新です。
誤字脱字、いっぱいありますので、すみません。




