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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
40/282

40~真夏の夜の~

お読みいただきありがとうございます。

前話の午後です。

居眠り女主人公、起きてます。

ミルクアイスをやっと食べられます。

朝市で、果物を見つける。

桃の味のリンゴと、レモン、ベリーが結構あった。

ベリーはイチゴじゃなくて、キイチゴとクランベリーだと思う。

樽でベリーは売っていたので、樽の量で買ってきた。

もちろん、買い占めたわけじゃないよ?

中くらいの酒樽ひとたる分くらいだよ。

しかも、分けられていないから、ベリーの割合はわからないけど、ベリージャムは作れる。

ジャムの作り方、メイちゃんに教えてあったかな?


家に帰って早速ベリージャムだ。

材料は、買ってきたキイチゴ、この前買ったレモン、砂糖だ。

この世界は塩も砂糖もきちんとあるのに、胡椒とかないんだなあ。

今は使わないけども。


キイチゴは洗って、へたを取って、砂糖とレモン汁を入れてしばらく置く。

水分が出てきたら弱火で煮る。

あくが出てきたらすくって、ジャムのような粘りが出てきたら、火を止めて冷ます。


ジャムの出来上がりだ。

え?

わたしじゃないよ?

メイちゃんが作ったんだよ。

レシピはきちんと教えたよ。

見ているだけでスキルレベルが上がるといいのになあ。


「メイちゃーん、ミルクアイスできてる?」

「ご用意してあります」


夕食後にはアイス。

昨日作ったのだから、おいしくできているといいのだけど。


りんりんりん


玄関の来客ベルが鳴った。

あれ?

初めてじゃないかな?

サカイさんなら、勝手に仲間で入ってきて、いるかどうか聞くしね。


シツジローくんが玄関に向かい、戻ってきた。


「サカイ様が、ガージス様を連れてまいりました」

「だれ?」

「ギルドマスターのガルガンギ=ガージスさまです。お会いになられますか?」

「あ・・・ああ、そうだ。がるがるさんの名前だ。うん、いいよ、通して」


しかし、ご飯の時に来るとは、なかなか抜け目ないな。

本来なら失礼じゃないかな。

メイちゃんが二人分を追加して作っている。

というか、一人分か。

サカイさんの分は毎日のように用意されていたからな。

家にすんでいるわけじゃないのに。


「師匠、突然すみません」

「師匠じゃないし。まあいいから、座って。これからごはんなの」


食卓に案内して座らせる。

少ししたら、運営さんも来た。

運営さんは神様としての仕事のために、午後になるとご飯の時以外あまり姿を見せない。

話しかければ答えてくれるんだけどね。


「話は食べ終わってから聞くわ」


私にとっては、こんな人たちよりも、アイスとジャムよ。

それより、暑いけども、窓を開けてほしいわ。

メイちゃんがさりげなく消臭剤を部屋に置いているのだけど、二人は気づかないな。

シツジローくんが、乾季のためだという理由で、窓を開けた。

夕方の風は少し涼しい。


今日の夕食は、冷たいものを堪能したいがために、温かいものにしてみた。

口に入れるだけで、汗が出る。

プレイヤーは、ドールと同じなのに、あせをかくとか、ほんとに細かいわ。


その夕食後の、お茶のお供として、アイスが出る。

この世界に来てはじめてのアイス。

何でないのか不思議だわ。


「おいしい」


何百年ぶりですか。

何年たっているのかわからないくらい、なくなってから経つんだけど。

百年以上はたっているんだよね。


みんなも食べて、おいしさに驚いている。


「これはすごいな」

「おいしいです。さすが、師匠です」

「師匠じゃないし。ああ、もういいや。それで。・・・そういえば、なんの用だったのです?」


毎回言うの疲れるし、もういいや。

そのうちサカイさんが飽きるでしょ。


「そうだった。サカイも戻ってきたし、そこの執事を貸し出してくれた報酬を持ってきたんだ」


かわ袋をどさりと置く。

どうやらお金が入っているらしい。


「サカイが冒険者とともに倒した魔獣の報酬の、サカイの分と、貸し出してくれた分の報酬で、金貨30枚だ」

「いらないわ」

「は?金貨三十枚だぞ?」

「別に要らないわよ」


私の財産は、プレイヤーとして稼いでいた時のものが、白金貨で数十万枚ある。

減らないんだな。

プレイヤー国では当たり前のプレイヤー同士の取引だったから、白金貨数十万枚なんて、少ないのかもしれない。

でもここでは、白金貨一枚でも、多すぎるのだ。

だから当たり前のように散財してみているんだし。


「いやいやしかしな・・・」

「それなら、サカイさんちにあるという錬金道具持ってきて。みてみたいわ」

「それはもちろんです、師匠。しかし大きいもののため、動かせないので、ご足労をおかけしますが、見に来ていただいたほうがよろしいかと思います」


おおきいんだ?

誰なんだろう、プレイヤー、サカイ。

そして、何を作ったんだろう。


「明日にでもおいでいただけますよ」

「それじゃ明日行くわ。迎え来て」

「もちろんです。あさからまいります!」


何か興奮しているわ、この人。

きもいおっさんだ。

先祖の使っていたものが何か知るのがうれしいのだろうか。


帰りぎわ、アイスをくれというがるがるさんに、もうないと断り、また作った時にと約束した。

この加齢臭親父が食べる量が多いから、せっかく大量に作ったミルクアイスが無くなったんじゃないの。

私の暑い日の楽しみなのに。

メイちゃんがしれっとからの入れ物を見せていたから、メイちゃんもちょっと怒っているのかもしれない。

ま、いいや。


夜は少し涼しかったから、トイレに行く回数が増えたけど、またアイスは大量に作りたいな。

私じゃなくて、メイちゃんが作ってくれるってわかっているけども。


それより、明日はサカイさんのおうちか。


「メイちゃん、何かお土産作っておいて」

「承知いたしました」


夜にキッチンから音が聞こえていた。

その音とともに、いい眠りについた。


毎週水曜日更新中です。

不定期になりそうですが、まだ頑張ります。

次の更新は、サカイさんちにいったお話です。

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