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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
30/323

30~レシピが欲しい~

寝坊助女主人公、王都中央部に到着しました。


王都中央。

ここには貴族街があり、その中央には王城がある。

中央に入るには、やはり守衛がいた。

だがここでは身分証の提示な必須だったが、金銭を取られることはなかった。

馬車は乗っていてはいけないらしく、ひいている。

道は整備され、とおりもにぎやかだ。


商店街らしき場所を通り過ぎると、宿が並ぶ場所に出た。

まずはとまる場所を確保しないといけない。


「どこがいいか聞いてくればよかったわね」

「そうだな。どこも書いてある料金は同じようだし、変わらないのじゃないか?」


確かに外に出ている料金表は変わらない感じだ。

ひとつ前の集落とは違い、ほかの場所と料金もそんな変わらない。

あの集落だけが異常なのだろう。


宿泊所への呼び込みは全くない。

どこがいいかと歩いていると、「宿泊施設案内」という看板が目に入った。


「宿泊施設案内?」

「宿を紹介してくれるのでしょうか」

「行ってみましょうか」


シツジローくんに馬車を見ててもらい、メイちゃんと運営さんと一緒に入る。

中はそんなに広くなく、三つのカウンターにそれぞれ案内の人が座っていた。


「すみません、ここって?」

「いらっしゃいませ。こちらは王都中央部での宿泊していただくお客様に、宿泊施設を、ご紹介、ご予約している場所でございます」

「予約?」

「さようでございます。中央部では、宿泊施設は、すべてこちらからの予約とそれに伴う紹介書がなければ宿泊をお断りさせていただいております」


うわっ。

面倒なシステムだ。


「そうですか…。なら、おねがいします」


それをしないと泊まれないなら、お願いするしかない。

案内人は、三枚の用紙を出してきた。


「こちらは宿の等級を表すものでございます」


いい宿は貴族や豪商などが使うらしい。

普通の宿は、通ってきた道沿いにあったものだ。

最低ランクは、馬車広場…でもなく、中央部の外にある、馬車置き場での寝泊まり。


入ってきたというのに、なんで外にまたでないといけないんでしょうね。


「この、普通のランクのでいいです」

「かしこまりました。ただいま空いている宿泊施設をお出しします」


そうか。

ここで管理しているから、空き室の場所がわかるんだ。


何枚か出された宿泊施設の名前が書いてある用紙。

案内人は、各宿の特徴を教えてくれた。


「じゃ、この宿の、一番広い部屋をお願いしたいのですが」


どこも同じ感じだし、朝と夜の食事が付くかつかないかだけだったので、簡易キッチンが部屋についている一番広い部屋を頼むことにした。

メイちゃんが作ってくれるほうがおいしいものね。


「かしこまりました。少々お待ちください」


案内人がさらさらと何かかき、封をする。

封と宿への案内図を受け取り、仲介料を渡して、案内所を辞す。

外にいるシツジローくんに宿への案内図を渡すと、馬車を引いて、先導してくれた。

さすがシツジローくんだよ。

わたし?

私はほら、方向音痴だからな。


宿はそんな大きくない。

というか、全部つながってないか?

壁で仕切られているだけで、屋根とかつながっている気がする。


入るとすぐに宿屋カウンター。

そこに紹介書と、滞在費を払う。

鍵を渡され、説明を受け、部屋に案内された。

部屋は一番上の階で、その一室しかなかった。


扉を開けると、リビングのようだった。

奥にベッドルームがある。

ベッドが二つしかないのだけど…


「すぐにあと二つお持ちいたします」


宿屋の男性が言う。

その人を呼べばいろいろ教えてくれるそうだ。

空間魔法があるから、ベッドなどの大型家具を移動する役目をになっているのだそうだ。

置くような荷物もないし、部屋のメーキングは任せるとして、午後も遅く、何か食べに出ることにした。

せっかくの王都だ。

長い滞在したいし、市場とか知りたい。

おいしい食材と調味料は必須だ。


「市とか食品店とか知りたいのですが」

「宿屋のある通りを抜けますと、広場に出ます。もうすぐ夕市がはじまりますから、食料品でしたらそこでほとんどが買えますよ」

「ありがとうございます」


いい情報だ。

しかも市には預り所があり、かったものが多くなり、持って帰れなくても、預り所に預けて、次の日に送ってもらうことができるのだという。

王都中央部。

なんて至れり尽くせりなんだ。


でもこんないい王都でも、税金が高くなり、住めなくなっていく人もいるという現実は、忘れない。

あの家族は、一日でどれほどすすめただろうか。


馬車はそのまま裏手にとめてあるけど、ウーマが走りたそうにしている。

馬を走らせておける場所がないと判断したので、馬車を空間魔法で収納することにして、ウーマはおうちに帰らせた。

周りには見られてなくてよかった。


宿屋街を抜けるとちょうど夕市が始まろうとしていた。

屋台がたくさん出ている。

焼いた魔獣肉や、果物の店、食器の店も並んでいた。


「煮込みがおいしそうだなぁ」


いい匂いの、シチューもどきの店がある。

器は、自前なのだそうで、こういう場所に、主婦の奥様が鍋を持って並ぶ。


「メイちゃん、鍋持ってきた?」

「ございます。購入してまいります」


鍋一つ分が、銅貨20枚分。

円なら2000円くらいかな。

でも結構な量だ。

大きな鍋も小さな鍋も、一つ分。

そんなずさんな計算でいいのだろうかと思うのだけど、計算はしやすいのかもしれない。


うちの鍋は、普通サイズの土鍋。

私がコメが食べたいからと、土なべばかりを買っていた。

ほかの調理なべは家にあるのよね。


土なべにたっぷりの煮込み。

うん。

トマト鍋だ。

ミネストローネ風っていえばいいのかな。

ふたをして、空間に入れる。

宿に帰ったら食べよう。


野菜も買っていかないとね。

調味料も。

ああ・・・

マヨネーズが欲しい。

酢がないのが、いたい。

早めにコメを探さないとな。

・・・そういえば、酢を使わなくてもできるはず…

レシピ知りたいなぁ。

この世界にはないのかなぁ。

料理なんて全然やってないから、こちらではできないけど、自炊してた頃はいっぱいしたのになぁ。


「料理レシピ…ってないのかな?」

「作り方か。そういえば、プレイヤーの中には、実際の料理の作り方を、レシピ集として保存していたものもいたな。君もやっていただろう」


私はやっていたものは錬金術の細かい分量のほうだ。

向こうでの現実のものをレシピとして保存はしなかったはず。

ああ、でも、メイちゃんの料理の幅を持たせるために、いくつかはやったわ。


「ほしいなぁ、その現実のレシピ」


こちらが今は現実だけど。

地球のレシピ・・・。


「ゲームは終わっているが、データならあるぞ」

「え、ほんとに!」

「ここでは取り出せないが、宿に帰ったら渡そう。そういうサポートくらいならするぞ」

「調味料は?」

「何が書いてあるかは知らん」


それでもいい。

私も、料理のスキルを上げようかな。


「お願いします」


そうか。

もうないゲームでのデータは、運営さんが持っているのか。

そうだよね。

運営さんのとこには私のデータも全部あるはずだ。


野菜買わないと。

卵は買い占めておいたのがまだあったよね。

ああ。

マヨネーズ作れるとうれしいわ。


串焼きの店と、野菜を売っている店を中心に回ると、結構大量に買うことになった。

空間魔法に収納しちゃうからいいんだけど、預り所にも預けてみたい。


「預けるほど空間に余裕がないわけではないだろう」


全員、空間魔法持ちだからだけど、運営さんに呆れられてしまった。

楽しみたいのにぃ。


しかし、さすが王都中央部だわ。

他では見ない野菜が多い。

地球の野菜にも似たものが多いなぁ。

味はどうなのかわからないけど。

桃味のリンゴとかあるしね。


宿に戻ると、早速メイちゃんが簡易キッチンで料理を始める。

その間に私や運営さんはお風呂。

シツジローくんは部屋を整えていてくれる。


さっぱりしたところで、ご飯だー。


「いただきます」


手を合わせて、先ほど買ったトマト鍋を一口。

うん。

・・・薄いな。


「お嬢さま。こちらは少々味付けが足りないのかと思います。おまちください」


鍋のほうを火にかけ、味を調え始める。

塩味が足りないのかなぁ。

トマトの酸味が強すぎるのかな。

いや。

水気が多いのかな。


この時期なのに、王都中央部は水の心配していないみたいだ。

やはり、水魔法使いが多いからだろうな。


「おまたせいたしました」


味が整えられたミネストローネ風。

うん。

やはりメイちゃんの料理はおいしい。

買ってきた串焼きの肉もおいしいし、いためた野菜もおいしい。

スキルレベルが違うと、料理一つでもここまで違うんだよね。


食べた後は寝る時間。

私は睡眠が必要なんだ。

でも魔法を使っていないからか、そんなにすぐには眠くはならなかった。


「運営さん、レシピ頂戴」


約束していた、料理レシピ。

運営さんが、50冊ほど出してきた。

こんなにあるのか・・・


「これでも一部だ。同じような料理ははぶいて、まとめてみたぞ」


さすが運営さん。

自分も食べるからだろうけど、仕事早いな。

でも多いなぁ。


「調味料の作り方のレシピだけっていうのはまとめてくれてないの?」

「ん、これだな」


一冊を抜き出す。

調味料と書いてある。

運営さん。

さすができる男は違うわ。


マヨネーズレシピはどこだー。


・・・やはり酢が必要なの?

と思ったら、レモン汁でもできるらしい。

レモン。

こちらでは、どんな味だろう。

普通のレモンと同じなら使えるけど、わからない。

今日買ってきたものの中にレモンはなかったし、大体にして、レモンは存在するのか?

明日、市に行って、果物売っていたとこの人に聞いてみようかな。


レシピ見ていると眠くなってきた。

明日も早いし、ねよう。


「朝市行きたいから、起こせたら起こしてね。おやすみなさい」

「ああ、おやすみ」


起きられるといいな。


お読みいただきありがとうございます。

まだまだ続きます。

マヨネーズは酢の代わりにレモン汁でもできるそうですが、日持ちはしないそうです。手作りって日持ちしないのが多いですよね。

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