282~ひろいもの~
ダンジョンの出口。
移動のための魔法陣なんだけど。
ここから戻る。
欠片があるから、ほんとはどこからでももどれるようなんだけどもね。
稲田は、そのままにしておく。
生態系、狂わないのかな?と思ったのだけど、ダンジョンの欠片がいいって言うから、そのまま。
またこの中に行くときは、もっと多くの食材を持ってこないとね。
とりあえず、外に出る。
洞窟のダンジョン入口。
ウーマが突然とまった。
「お嬢様、よろしいでしょうか」
シツジローくんが馬車の中に話しかけてきた。
「なーに?」
「外に出ていただけますと、すぐわかります」
まあいいか。
みんなで外に出る。
「え?」
魔法陣の外に、モコモコした塊。
「え?なにこれ」
「メリノーポップと言われる魔獣です」
メリノーポップ?
あー、確か、羊毛を手に入れるのに狩る魔獣だったよね。
ものすごい穏やかな。
今はただのモコモコした毛玉だけど。
「なんでそんなのがこんなとこに?」
生きてるの?これ。
「それはわかりませんが、生きているようです。ただ怪我をしているようで、動けなくなっています」
「そう・・・、とりあえずこのポーション使ってあげて」
空間魔法からポーションをだす。
急に暴れられたら困るし、低級ポーションだけど。
「かーわいいー」
ナナがポーション受け取って、かけに行く。
いや、危ないからやめて。
と、止めようとしたけど、遅かった。
もうかけてる。
まあレベル高くなってるから、攻撃されても大丈夫だろうけど。
ほんとなんでこんなとこに?
欠片が理由を教えてくれた。
どうやら他のダンジョン経由で、こちらに出てきたらしい。
他のダンジョン産の魔獣って、出られないんじゃなかった?
それも解決。
どこかのダンジョンに入り込んで、逃げ惑っていたのだろう、とのこと。
モコモコが毛玉から羊になった。
成体らしく、大きかった。
私より大きいよね。
でも暴れない。
あ、ウーマに怯えているのかもしれないけど。
「おじょーさま、このこつれてかえりたい」
えー・・・
まあいいか。
「ついてくるって言ったら連れてっていいよ」
テイムしていない魔獣と言葉がなんとなく通じるのは、獣人だけ。
ナナが毛玉に話しかけてる。
んめぇ゙ぇ゙
返事してる。
「行くってよ」
マークが答えてくれた。
それじゃ連れてくか。
馬車に乗せる。
変わった拾い物をしてしまったわ。




