281~どうにもならない~
起きてすぐ考えるのは苦手。
頭の中がクリアになって、やっと考える。
外ではみんなが虫と格闘しながら、米をかる。
調味料も足りなくなったら、ほんとにごはんのみになってしまう。
「野菜はこの世界で作れないのよね?」
ダンジョンの欠片に問う。
返事はわかってた。
やはり作れないらしい。
虫ダンジョンだから、イナゴくらいしか、食べられないな。
あ、ハチの子もあるのか、
あれ?
ハチを見た覚えがないような?
どうやらハチは違う階層にいるらしい。
とはいえ、このダンジョン、どこに飛ばされるのかわからないから、確実にハチのいる階層に行けるとは限らないか。
あ、ダンジョンの欠片がいるから、そこには連れてってもらえるのね。
でもハチを食べるのではなく、ハチミツほしいだけだな。
ハチの子、食べたことないし。
カタツムリは?
確か、エスカルゴ。
あれって虫よね?
違うのかな?
それでも調味料が必要だと思う。
「うーん・・・」
ほんとにどうしよう。
まあでも、急なレベル上げで倒れてたビイトたちは、動けるようになったし、チラッと鑑定かけたら、レベルが60近くなってたからいいかな。
「よし、決めた」
馬車の外にでる。
相変わらず、虫が飛び交う。
ああ、気持ち悪い。
「みんなー、中入ってー」
ナナを守りながら、馬車に向かってくる。
結構、みんな、魔法の制御もできてきてるね。
いいことよ。
メイちゃんがおやつをだす。
おやつタイムには、まだ早いけど、動いているから、お腹すくだろうしね。
「ある程度みんなのレベルも上がったので、帰ろうと思います」
まあ、実際は、ご飯問題なんだけど。
それも言います。
みんな不満そうだったけど、メイちゃんのご飯が食べられないの嫌だよね。
なので帰ります。
これだけレベル上げたんだから、あとは自分たちで頑張ってもらいましょう。
レベル差がまだあるけど、ここまで強くなったということで、四人のパーティが作れるらしいし。
「それじゃ帰りましょー」
虫ダンジョン、サラバ。
あー、気持ち悪かった。
安心した気持ちで寝たいわ。
でもまずは、戻ったら、従魔たちは、しばらくおやつ抜きにしないとね。
お説教、まだしてないしね。




