280~由々しき事態~
おコメのために、虫を倒しつつ稲を刈る。
それでもわいてくる虫の多さと小ささに、辟易してしまう。
焼き殺してもいいけど、そうしたら、稲田に大打撃だし。
みんなに頑張ってもらいたい。
私はナナを守りつつ、虫退治。
小さな体で、鎌をふるうナナのほうが、虫よりも心配で怖い。
やはりやらせないほうがよかったかな。
ナナはLUKがいいのか、は古米の俵を落とす確率が高い。
とてもいいことだ。
私だとこうはいかないから。
倒れているものたちは差し置き、エイトたちは頑張って、各自一辺を守っている。
彼らくらいの火力で、飛んできているのを焼き殺すのならば、まだそんなに被害は出ていないようでよかった。
まあそれでも、端のほうは、火花がとびちって焦げているようだけど。
「おじょーさま、どれくらいかるの?」
「いいよって言うまで」
あなたとマークが食べるから、すぐなくなるからね。
それでも一通り刈りおわると、新しいのが生えてくるまでの時間が空くので、この日は終わり。
今日のご飯は、たっぷりのお米で作ったおにぎり。
おいしいよね。
あっという間に二人に吸い込まれていったけど。
虫を狩っているだけでも、レベル上がっているものね。
すぐにおなかが空いたたようだし。
夜はぐっすり。
このぽんぽこりんのおなかの子たちは、おなかいっぱいで寝ている。
どうせ朝になったらおなかすいたって起きるのだろうけど。
「お嬢さま、少々よろしいでしょうか」
「なにメイちゃん」
私もそろそろ寝ようと思っていたところなんだけどね。
「実は、おコメの確保はできていますが、おかずとなる肉や野菜が不足しそうです」
「え?」
「ナナとマークが思った以上に食べるので、前回と同じほどを用意してきたのですが、もうすぐ底を尽きそうです」
なんと!
確かにあの二人は異常に食べるけど、そんなに足りなくなるなんて。
おコメも足りなくなるのだから、おかずも足りなくなるなんて、当たり前だった。
なんでそのことに思い至らなかったのだろう。
しかもここは虫ダンジョン。
虫しかいないから、お肉の確保はできない。
何とか野菜は・・・いや、キノコだって毒系が多いし無理か。
これは早急になんとか考えないと、明日からのご飯ライフが真っ青だ。
ほんと、どうしよう。
「ちょっと考えてみるね」
「お願いいたします」
そんなこと考えてても眠気は襲ってくるし、明日考えよう。
おやすみなさい。




