279~そうだったのか~
おコメ大切。
大事なことだからもう一度。
おコメ大切。
作っても作っても、吸い込まれていくように消えていく食料。
料理人のおっちゃんとか、「若いのはいい食べっぷりだね」とか、言っちゃうのかもしれないけど。
確かにすごい食べっぷりだけど、虫しかいないこのダンジョン。
食料品となる魔獣なんていない。
「そういうわけだから、稲田をつくって」
欠片に命令。
そしてできた。
が、結界の中には作れないっていうのよ。
ダンジョンの仕様なんだって。
そして、あの虫たちも、一緒に出るそうだ。
イナゴ。
ダンジョンの外なら、虫の出現はさせられないらしい。ダンジョンからあふれるのは仕方ないけど。
でもこの中では、虫とフィールドは一対なのだそうだ。
「みんな、聞いて。ご飯を食べたいなら、虫との勝負よ。虫から稲田を守りながら稲刈りをしてね」
「むしー?」
「ナナは外でちゃだめと言いたいけど、ナナが稲刈りしてもいいよ」
私が外で稲刈りしながらナナを守ればいいし。
虫は他の人に任せればいいよね。
「どれほど刈ることができるかは、あなた達が、虫をこちらに近づけさせないようにするかにかかってるからね」
美味しいおコメのために、頑張ってもらいましょう。




