278~よく食べる~
たくさんの虫。
倒した分の経験値は、分配されていく。
パーティならその分、そうでなくても、この馬車内では、分配が行われる。
つまり、ナナに、ものすごく多く入るということだ。
「ナナ、大丈夫?」
急なレベル上げのせいで、レベル酔をしなければいいのだけど。
「お腹空いた」
「はい?」
何言ってるの?このおこちゃまは。
本来なら、みんなと一緒に、倒れててもおかしくないんだよ?
その証拠に、レベルの低いビイトなんて倒れてるでしょ。
レベル酔だよ。
マークは・・・倒れてないだと!?
「お嬢様、オレも腹減った」
なんだって!?
つまり、この二人は、レベル上がるとお腹空くのか。
倒れないだけマシなのか、食費嵩みそうね。
「メイちゃん、なにか食べさせてあげて」
「承知しました」
食材はたくさん持ち込んできたけど、足りるかな?
足りなかったら、しばらくはここを拠点にして、ダンジョンマスターに、ここに、コメを作ってもらおう。
いや、今からでもいいか。
すこし、結界を広げて、刈るのはナナに任せよう。
お手伝いでやってるらしいし。
それにしてもよく食べるな。
この量が、どこに吸い込まれていくのか。
やはりナナやマークには、胃の中にブラックホールが存在しているのかもしれない。
ビイトは食べられそうにないね。
動けなくなってるし。
ギルマスさんは、なんとか耐えてるみたいだけど、真っ青だし、無理しないでほしいわ。
「スズラン、エイト、このふたりの介抱をお願い。あと、ご飯の時間ちょっと早くなったけど、いいよね?」
マークとナナが食べてるのに、他の人の分、ないなんてできないし。
私はまだいいわ。
お茶でも飲んでよう。
倒れてる二人のご飯は、おかゆにした。
何も食べないのも良くないしね。
もちろん、作ったのは、シツジローくんだよ。
私は何もやりません。
今日はこれ以上は何もできないだろうな。




