277~嫌だ~
私が起きるまでは、外で虫相手に戦っていた彼らは、ものすごい疲れた顔してる。
「どうしたの?」
いや、私は虫相手はしないから、外に出たくないけど。
でも今回は仕方ないから頑張ろうと思っているよ。
「虫が小さすぎて、やりにくい」
それはよくわかるけど、森の中にいるホタルとは違って、ここは普通のサイズだよ。
「燃やせばいいでしょ」
「誰も火魔法使えない」
あ。
そうだよね、この子たち、火魔法使えないないんだった。
「風魔法で、ちぎればいいよ」
私はそこにはよらないけどね。
虫汁が飛んでくるのわかるし。
でもだめっぽいね。
「ダンジョンマスターに、大きさ変えてもらおうか」
ちょっとため息。
まあ、マークとビイトのレベル上げを兼ねてるしね。
ダンジョンマスターの欠片。
小さい人型を取れるようになって、結構な時間経ったから、自由に動いてる。
それでも、ここのダンジョンの欠片だから、大元とつながることができる。
「もう少し虫を大きくしてほしいらしいのだけど」
私の言葉に、頷く欠片。
意思疎通はできるのがいいわね。
「大きくしてくれるらしいよ」
大きくなれば、その分、レベル上がるかもしれないけど、いいのかな?
どうやらその方がいいみたいだし、大きくしてもらう。
外に出ると、馬車周りの結界を強化。
これで外の範囲が増えた。
カサカサとした音。
結界に虫が付き始めた。
気持ち悪い。
「みんな、外出ないで。あと、結界に触れないで」
結界に熱伝導。
結界内の暑さも調整。
今の結界の温度は、ものすごく高くなっている。
くっついた虫が、どんどん落ちていく。
「気持ち悪い」
自分でやったことだけど、虫の溜まっていくのを見るのは、ほんといやだ。
火魔法で焼いて消滅させないと。
目が冷めた途端、これ。
あー、嫌だ。




