274~ランクが同じくらいなら なのね~
プラム郷に、エイトとスズランを連れてきた。
エイトにとっては、故郷だし、勝手が知れている。
スズランにとっても馴染みがある。
そして、2人はいま、マークとナナの弟妹を見て、ほんわかしている。
「かぁわいい」
黄色い声が、プラム郷に響く。
ボール遊びをさせているから、あちこちちょこちょこ動く、5匹兄弟に、スズランが目を輝かせてる。
まあ、わかる。
わんこたち、かわいいし。
わんこって言うと、ナナから、「オオカミだもん」て言われるけど、わんこだよ。
そして、オルトロスも、一緒に遊んでる。
この仔もまだ、赤ちゃんみたいなものだったわ。
「この仔が、ブルームおじさんのテイムしたオルトロス?」
二つの頭を撫でてやりながら、キラキラした顔で聞いてくる。
「そうよ、こっちがロス、こっちがポチ」
「なんでポチ…」
「いい名前でしょ、ポチ」
何よ、文句ある?
「ポチ…」
「うぉん」
ポチが返事。
きちんと名前覚えていられて、いい仔だわ。
「さて今日は、エイトは、マークとビイトのとこで止まりなさい。スズランはうちよ」
エイトはもう、独立してるようなものだしね。
ちょうどマークもビイトも帰ってきたし。
「あ、兄貴、スズランねーちゃん」
報告が終わって帰ってきた様子のビイトが真っ先に駆けつけてきた。
マークは、夕方だからと、ちみっこたちをお家に連れ帰ってる。
「ビイト、しばらくはエイトとスズランはここにいるわ。エイトは、そちらに泊めてね」
「部屋ならあるからわかった。兄貴、ナナの部屋は、のぞくなよ?」
「そんなことするか!というか、ナナも住んでるのか?」
「マークとナナの家、いま、5人生まれたから、手狭だし、ナナは俺たちが帰ってきてる時は、うちで住んでる。普段は父さんと母さんとこ」
「は?」
「あれ?兄貴、知らなかったっけ?ナナはうちに養子に来たから、俺たちの妹でもあるんだぞ」
下がいなかったビイトは喜んでいるし、ちみっこたちを送ってったマークは、平然としてる。
動揺してるのはエイトとスズランだけね。
「いつのまに?」
「生まれて少し経ってからかな?ナナも承知してるしな。それより、どうしたんだよ、兄貴たちこそ」
エイトがビイトとマークに説明してる間、ナナをなぜくりまわして、おもいついた。
この2人って、そんなに
エイトやスズランと、ランク変わらなくない?
ならば、この2人と組ませて、私たちとは別パーティとして、しばらくここでやらせよう。
知った相手となら、変な気遣いしないだろうし。
私の後をついてくるようにさせればいいよね。
よし、そうと決まれば、みんなでランク上げよー。
でもまあ今日は、もう終わり。
ご飯食べて、さっさと寝よう。




