273~しばらくは~
サカイはいいとして、スズランとエイトは、王都中央部で活動してる。
だけど、この辺りって、そんなに強いのがいないし、ダンジョンはほとんど踏破されてる。
成長ダンジョンや、インスタンスならいいけど、2人のレベルだと、物足りないと思う。
現に手加減を覚えているけど、討伐の依頼は、ほとんど受けてないんだとか。
「討伐部位、壊してしまうの」
なるほど。
しかも2人だとダメらしい。
最低人数4人と決められているから、同じランク同士で組むそうなのだけど、レベルが違うから、そもそもその人たちが足手纏いとなってしまう。
なので採取ばかり。
でも採取だと、ランクが上がらない。
「どうしたものかしらねー」
ガルガルさんは、それをわかってて、でも娘に危険なことしてほしくないから、知らんぷりしてるのだろうし。
サカイもわかってて、そのままにしているのだろう。
指導として、ランクが上の人が連れて行ってくれる場合があるらしいけど、ガルガルさんがきっと他の冒険者に、何らかのこと言っているのだろうな。
「よしわかった。2人とも、プラム郷に来なさい。私が、ジャムさんとダンジョン連れてくわ」
ランクが上の、私とジャムさん。
しかもガルガルさんは、意見を言えるけど、許可するのは、プラム郷のギルド長。
時々、貴重な素材を卸してるから、プラム郷のギルド長は、いうこと聞いてくれるしね。
なんなら一緒にダンジョン潜ってもいい。
「ほんと!ねーちゃん」
「もちろんよ。サカイのことは、知らないわ。話聞いてたから、もしかしたらガルガルさんに何か言うかもだけど、師匠の言うことも聞かないなら、要らないし」
ねぇ、とサカイを見ると、真っ青だ。
「どうする?サカイ」
「言いません。冒険者は自由です。それでクビになれば、こちらも都合いいので」
少し悩んで結論出したみたいね。
確かに、錬金術師やりたいがために、サブマスやめたがってるものね。
これで決まりね。
「今日、すぐには、2人とも無理でしょ。来週、プラム郷に行きましょう」
準備などあるはずだし、でも、本当はすぐでもいいけど。
それまでは、ここで調合させましょう。




