267~困ったな~
空間の歪み。
別に、地面がめり込んでいるとかはないけど、その場所だけ、世界が歪んでる。
ウーマに、少し離れた場所に停めてもらう。
あまり近くに行くのは良くなさそう。
「んー?」
目を細める。
矢印は、確かにあの歪みを指してる。
「近づいても大丈夫なのかな」
「われは近づくことができぬようだ」
え?
どう言うこと?
「あの歪みを浴びると、空のものは皆、消えてしまうのだ」
「はー?」
そんな設定、あるの?
初めて知ったのだけど?
「あれは我らの墓場じゃ。我らは、寿命が近づくと、歪みに入る。また生まれるために」
そんな設定、はじめてしった。
ゲームではなく、この世界のことわりなのかな。
プレイヤーは、寿命がない。
それだけは知ってる。
運営さんたちもないけど、星にも寿命があるのだろうか。
そしたらプレイヤーはどこにいけばいい?
でも今は、そんなこと考える時間がない。
この歪み、私は近くに行ける。
「みんなはここで待ってて」
何があるかわからないしね。
卵は、私しか見えないし。
ゆっくり近づく。
うん。
歪んでる。
あ、卵が二つ。
なんだろう。
融合しそうで、しない、反発もしてないけど。
そのせいで歪んでいるのか、ここ。
手を伸ばすと、一つが取れた。
それと同時に、爆風。
よかった。
何があるかわからないから、結界はっておいて。
爆風には驚いたけど、飛ばされなかったし、卵も無事。
卵を空間に入れ、もう一つも手に取る。
今度は爆風が起きなかった。
きっと、歪みの反発だったんだろうな。
それと同時に、矢印が全て消えた。
全部、回収したみたい。
よかった。
あとは、空の人に渡すだけ。
手を振れば、ウーマが、馬車を引きながらこちらにむかってきた。
やっと、長かった旅が終わる。




