265~おまえたちね~
ドドドドド
夕飯の支度ができるまで、ゆっくりティータイムをしているのだけど、すごい音が聞こえる。
遠目で見ると、砂煙。
なにあれ。
「魔獣かの」
「なんだ」
結界はってあるから、入ってこられないのはわかっている。
でも魔獣は入れなくても、砂煙は、中に入ってくるんだよ。
「ん?」
大量の魔獣が、すごい形相。
必死だな。
なんだ?
「おじょう様、どうやらシリウスが、魔獣を追い立てているようです」
なんだって?
「夕飯の匂いで、こちらに帰ってくる途中であったのでしょう」
そうだったのね。
ありえそうだけど、こちらに追い立ててくるのはやめてほしい。
魔獣の群れに、手をかざす。
炎の魔法。
よし。
ほとんどいなくなったみたいね。
焦げ肉になってしまっただろうから、おかずにはならないな。
まったく、あの仔たちは、なにをやっているのか。
残っているのも、霧散したから、やっと静かにティータイムだわ。
少々、しっぽの先を焦がしたシリウスが、反省のポーズをして、足元に来た。
怒ろうかと思ったけど、かわいいので許す。
しーちゃんとベヒーが、何かをゆっくり持ってきた。
あ。
ロス・・・
ほぼ瀕死。
そうだよね、ロスはそんなにレベル高くないし、シリウスでも焦げる火炎だと、避けられなかったか。
空間から特級ポーション。
口に突っ込んで、半分はかける。
すぐ復活。
よかったわ。
すぐお腹出して、服従のポーズするのは、やめさせないとだけど。
かわいい。
しーちゃんもベヒーも。
まあ、今日はみんな許してやるわ。
「いい?ご飯の匂いがしたからと言って、魔獣を追い立ててきたら、ご飯に砂埃が入るでしょ。そういうことはしないこと」
よし。
これでお説教は終わり。
そろそろご飯だし、それまではゆっくりしましょう。
ウーマは相変わらず、まだ帰ってこないけどね。




