263~再びの~
馬車はゆっくり街道を走る。
ここ数日、ウーマは拠点に置いていたから、おもいっきり走ってきたのだと思う。
機嫌はいいようだ。
うちの従魔たちも機嫌は良さそうです。
馬車で寝てる。
シリウスにくっついて、しーちゃんとベヒーとロス。
ん?ロス?
「なんでロスがここに?」
サカイ、まさか、自分の従魔、おいてったの?
「プラム郷の皆さんと、獣人兄弟が馴染むまでは、魔物然としているオルトロスのロスは、こちらで預かって欲しいとのサカイさんの希望です」
「あ、そうなの?あそこなら、すぐ受け入れると思うんだけどね」
プラム郷より、王都中央部の方が難しいのじゃないかな。
まあいいか。
かわいいワンコだし。
ほんと、この仔犬が、みつ首のケルにゃロスだったら、私のものにしてたんだけどな。
いないかな、あのケルにゃロス。
竜のタマゴの矢印は、どんどん大きくなる。
近いな。
この辺りは、国境近く、なんだけど。
ほんといくつあるんだろう。
「この辺りを飛んだ覚えは?」
「うむ?あったような、ないような」
空から見える景色と、地上からの景色じゃ、見え方が違うからな。
わからないか。
せめて、どのあたりを飛んでた時まで持っていたとか覚えていれば、早く見つかったのだけどね。
過ぎたことだけどね。
国境近くは、草原地。
村も街もなさそう。
そろそろ、ウーマにスピードださせてもいいかな。
明日には竜のタマゴのとこにつきそうだ。




