262〜いや、おこらなくても…〜
目が覚めて、伸びをした時には、サカイがすごい形相をしてた。
わかってる。
私が寝坊したってことは。
なので誤魔化すように支度をして、さっそく冒険者ギルドへ。
話は通っていたようで、きちんと地下へ案内された。
地下の魔法陣は、魔力を注がなければならなくて、本来ならそのための人員を確保するのも使用者の勤めなんだけど、私の場合は、1人で十分。
両手を魔法陣に乗せ、魔力を注ぐ。
すぐに必要な魔力が貯まったので、準備完了。
「それじゃ行くよ」
サカイとライオン兄弟を魔法陣に乗るように促す。
私は行かない。
だって、後ろで空の人が睨んでいるから。
確かに空の人の探し物のために旅に出たけど、何も睨まなくてもいいと思うのよね。
元々は自分の責任でしょう。
魔法陣が光って、三人の姿が消えた。
これで旅が実行できる。
サカイが何か喚いていたけど、知らない。
空の人とメイちゃんとシツジローくんを促して、外に出ると、冒険者ギルドの人が、請求書を持って待っていた。
そうか。
使用料がかかるのか。
知らなかった。
使用料はちょっと高くて、金貨一枚。
普通の感覚では高いと言わざるを得ないのだけど、私の中では、端金。
本当は使用する日が過ぎたから、迷惑料も込めて、金貨5枚を渡す。
いらないけど、領収書を受け取った。
こういうところはお役所仕事として、きちんとしているんだなあ。
ちょうど向こうの冒険者ギルドから、連絡が入った。
無事に着いたということだ。
あと、プラム郷のみんなが寂しがっているとの連絡も。
まだ時間かかりそうだと伝え、連絡は終わり。
さて。
空の人の探し物の、竜の卵、本格的に探しに行きますか。




