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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
260/281

260~その頃のプラム郷~

サカイに頼まれたジェヌは、すぐさま、自分の義母にことを伝えた。

まずは、この郷の住民たちに情報共有が必要だ。


「ジェヌおじちゃん、おじょーさまかられんらくあったの?」


ワクワクした顔で、ナナがやってきた。

アイリーンがいなくて、つまらないのだ。

確かに同じ年頃の住人も増えたが、ずっと自分の面倒を見てくれたのはアイリーンなので、アイリーンに早く帰ってきて欲しいと思っているらしい。


「いや、サカイさんだ」

「サカイおじちゃん?なにかあったの?」

「みんなが来たら話すから。会議所行くぞ」


歳の割に小さい狼獣人のナナを抱き上げ、会議所に行く。

中にはもうみんな集まっていた。

とは言え、ずっといた住人だけだ。


「さっきサカイさんから連絡があって、アイリーンが旅先で弟子を迎えたそうだ。その弟子が、数日後にはくるので、家の掃除とかお願いしたい」

「どんな方かのぅ」

「ライオン獣人の兄弟だそうだ。もともと独学で錬金術をやっていたらしい。ある程度基礎がわかるはずだとか」

「ほほう。それならわしらも教えてもらえそうかの」

「いや、アイリーンが、帰るまできちんと教えてあげて欲しいそうだ」


ジェヌが肩をすくめると、どっと笑いが起こる。

相変わらずのお嬢様だな、と。


「ナナも弟弟子ができるぞ」

「おとーとならこのまえうまれたよー?」

「そうだったな」


ナナの母親が、5人の仔どもを産んだのは、記憶に浅い。

アイリーンがいたら、名付け親になって欲しかったと言っていた。


「遊んでくれる人が増えたと思えばいい」

「わぁーい」


ナナの両親も養父母も、生まれたばかりの仔どもにてんてこ舞いで、ナナは基本、ほっておかれている。

ナナの兄たちも、冒険者として、昼間はいないのだ。

なので、1人で過ごしていることも多い。


「まああとは来てからだな。誰か、家の掃除とか頼む」


ジェヌの言葉に、住人たちは立ち上がる。


「よし、じゃあ取り掛かろうかね。家具はどうするかね。ベッドとクローゼットとテーブルと椅子くらいなら、すぐ作ってもらえそうだけどね」

「ああ、先程頼んできたから、明日にはできると言ってた。すごい職人たちだよ」

「それなら掃除だけだね。家を決めて、取り掛かろうかね」


会議所には、ジェヌとナナがのこされた。


「ナナ、ボックスの中の菓子はきちんと片付けておけよ?食べられちまうかもよ?」

「はっ!わかったー」


ボックスに駆け寄るナナを見ながら、問題が起こらないことだけをジェヌは願った。



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