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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
26/281

26~たれは譲ってもらえない~

毎週水曜日更新、できるといいなぁ・・・

寝坊助主人公、新しい集落につきました。買占めばかりだ。

馬車はもう中央部に向かっていた。

そりゃそうよね。

私がいつものように寝ていたのが悪い。

まだ先なのかなぁ。


「もう少ししたら次の集落につきますよ」


いくつか集落を飛ばしているらしいけど、どうでもいい。

それより、最近、暑くなってきてないかな?


「夏に近づいている?」

「いや、まだだろう。あとひと月少しは、ならないはずだ」

「それじゃ、乾季か」


乾く季節は嫌いだ。

静電気が起きやすい。

先に乾季が来てしまうということは、あの池の水も少なくなるんだろうな。


「ジャムさんのところは、水の人がいるのかな?」

「ジェヌ様のところにいた、老女の二人が、水魔法の使い手のようでしたよ」

「それならいいけど。でも老人をそんなに働かせられないよね」

「病も癒えて、食事もとれているのだから、そこまで心配することはないだろう。魔力も戻っていよう」


そっか。

それならいいや。

かかわってしまうと、やはり気になってしまう。


水魔法だけは優遇されて、王都の中央部に集まっている国。

ほかの国もそうなのかな。


「ねえ、運営さん?」

「この国だけではなく、水魔法使いがあまり産まれなくなった。そのために水魔法使いは貴重なのだろう。しかし、それは人間の業が引き起こしたことだ」

「何が起こったの?」

「ゲームでもやったイベントが関係している。あのイベントは、この大陸に国ができたときの歴史の一つなのだ」

「イベントは歴史なの!」

「そうだ。すべてのイベントがやれたわけではないが、現実には間違った選択をしたせいで、水魔法使いが産まれなくなった。いや、極端に少なくなったといえよう。魔法が遺伝するわけではないからな。生まれてきたものの性質に由来する」


そうか。

そういえば、いくつかのイベントに、水魔法使いが関連しているイベントがあった。

その中でも最大のイベントは、まだ終わってないうちに、私は死んでしまったから。


「そういえば、あのイベントはおわったの?」

「ああ・・・いや・・・あれは・・・」


歯切れが悪いな。


「なに?」

「いや、なんでもない。ゲーム自体がいろいろあって終わらせてしまったからな」


つまり途中だったということか。

私が知っている範囲までならいいけど。

なんだか、運営さんがものすごく考えている表情だ。

ほんとに、あのイベントは何だったのだろう。

歴史なんだっけ。

今度調べる機会があったら、歴史を見てみようかな。


「プレイヤーは全部の魔法使えるからいいけど、ほかの人は大変ね」

「本来プレイヤーも一つの魔法に特化させる予定だったのだが、それだと食いつかなそうなものばかりだったからな、地球の人間たちは」


確かに。

万能大好き。チートにあこがれる私たちは、食いつかないかなぁ。


「その代わり、プレイヤーは化け物ぞろいになってしまったけどな」


おい、こら。誰が化け物だ!

自分で作ったくせに。


「そろそろ次の集落につきますよ」


外からシツジローくんの声がした。ウーマの速度もゆっくりになった。

周りの景色は、この前の集落と変わらない。

お米ないのかなぁ…


集落の門には、やはり門番。

のんびりしている。


シツジローくんが話し、全員分の身分証を出す。

門番がすごく嫌な顔をしている。


「なに?」

「プレイヤーなのか、おまえたち」

「そうだけど」

「・・・あばれてくれるなよ」


何それ。

どこかで聞いたよ、そのセリフ。

プレイヤーはいったい何だと思われているんだろう。


集落は、この前の場所と違って、とてもにぎわっていた。

中央に近ければ近いほど、賑わいがあるようだ。

宿屋は門番が進めたところにした。

門番が把握できるとこにしてほしいというからだ。


また酒場の上だった。

酒場と宿屋は同じものなのかな、この国。

それでも、酒場と宿は入り口が一緒でも、廊下で分かれていたので入りやすかった。

階段上のカウンターには、暇そうなおじさんがいた。


「泊まりたいのですが」

「ん」


顎で台帳を示された。

態度悪いなぁ。

シツジローくんが記入して、カギを受け取る。

一番大きないい部屋にしてもらった。

ちなみにウーマは、こっそりと馬車の中から家に送っていった。馬車も空間魔法に収納済みだ。


「前払いだ」

「これで」


金貨一枚。

これでもしばらく泊まれるが、一泊だけ。

おつりはいらないよ、と付け加えておく。


荷物は置いて、といっても、ほぼないけど。

外に出る。

まだ昼過ぎだから、結構にぎわっている。

食料品店があればいいなぁ。

と思ってたら、広場で屋台があるようだ。

そこに行くことにした。


屋台はいろいろなものが売っていた。

果物の屋台、野菜の屋台、串焼き各種。

どれもこれもおいしそう。


「すみません、これ全部」


果物と野菜は全部買い占めておこう。

どうせ、時間経過もない空間だから大丈夫だし、ご飯大事だし。

後、串焼きも食べて、おいしかったところのは買い占めていこう。

調味料はないのかなぁ。


「すみません、調味料やさんとか、この辺りにあります?」


おいしい串焼きやさんに尋ねる。たれがおいしいよ、これ。


「調味料屋?ここじゃぁなぁ・・・、週に一度、中央から売りにくるいがいは手に入らないんだ」

「そうなんですか!」

「このたれに使っているのだって、月に一度、中央にいって仕入れてくるんだ」


うわぁ・・・

普通なら調味料やさんだって、支店があってもいいのになぁ。


「あとは、門前街のジューノ雑貨店くらいだな。時々珍しいのを売りに来る」


そういえばジューノさんは中央にはお店持てないんだったか。


「わかりました。串焼き、全部ください。調理前でいいです」

「やかないとうまくないぞ?」

「こちらで焼きますから、大丈夫です。たれも少し分けてもらえると嬉しいけど…」

「それは無理だなぁ、すまねぇ」

「そうですよね」


塩焼でもいいか。

塩ならあるし。


いくつかの屋台の買い占めして、宿。

でもここの宿は、ご飯は酒場に降りてこないとだめらしい。

屋台で食べてきてよかったよ。

早くここから去りたいなぁ。


部屋できれいにした後は、ぐっすり。

明日は出発だー。

起きられるかな?







串焼きはおいしいよねぇ。

私は肉より野菜の串焼きが好きだ。あとは魚だな。

まだまだ続きます。

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