256~それよりも~
ライオン兄弟をプラム郷に連れて行く。
それは決まったことだからいいと思う。
それよりも、竜のタマゴだ。
まだ、ここにいる空の人の探すタマゴがみつからない。
何で?
確か、ゲームの中では、結構すぐに見つかったのに。
一つだけだったし、
確実にそのタマゴへの矢印が出てた。
今も出てるけど、まだ複数ある。
そろそろみつかってもいいと思う。
空間魔法の中に保管しているタマゴも、結構多いし。
これ、どうすればいいのかしら。
運営さんが竜に返してくれるのならいいのだけど、また、空の人のや地の人に渡すことになるのでは、同じことの繰り返しだ。
空の人からの抗議も、さすがに、無視してるわけにもいかないしね。
もう何日もここにいるから。
「しばらくは、ライオン兄弟は、私たちと行動してもらう方がいいのかな?」
「そうですね。それか冒険者ギルドで、移住の手続きをして、プラム郷に送ると言うこともできます」
その場合、誰か一緒に行かないと、説明できないよね。
「サカイ、一緒に帰る?」
「えっ?」
「サカイが一緒にプラム郷行って、ジャムさんに話つけてくれるといいのよ。家だって、何軒か余分に建てられているんだから、そこに住めるでしょう?」
「錬金術の指導はどうするのですか」
「プラム郷のおじいちゃんおばあちゃんも、ナナも、教えることはできるでしょう。あと、冒険者さんたちも、ポーションくらいは作れるのだから、プラム郷にいたら、教えるように言って欲しいわ」
「・・・わかりました」
不満そうだけど、それが一番いい気がする。
「基礎の本はプラム郷にあるし、サカイも教えられるでしょう。あなたの技術の向上でもあるのよ」
「はい」
「こちらの用事が終わったら、しばらくはプラム郷にいるから」
「でもすぐ王都中央部に帰らないといけないかもしれません」
「それなら王都中央部に毎日行くわ」
「約束ですよ」
めんどくさいけど約束。
このライオン兄弟は、錬金術の基礎はできそうだから、プラム郷でも即戦力になるよね。
石鹸もカバンもポーションも、人手が足りなくなるかもだし。
とりあえず、今日は、寝る。
明日になったら、兄弟には話をしよう。
ああ、眠い。




