252~動き出した~
まだサカイの修行は途中だけど、詐欺師さんたちが動き出したそう。
それなら行かないとね。
朝だった。
眠くて仕方ないけど、何のためにあんなことしてるのかしりたいから。
もしかしたら、と思ったけど、違うのもわかってるけど、どこかでプレイヤーと関係してるかもしれないしね。
広場に詐欺師さんたちはいた。
市場が出てたから、そこにきてる人たちが注目してる。
「ご覧ください!」
詐欺師さんたちの声で、どんどん集まる人が増えてる。
私たちも何とか近くにいけた。
この前の鉱石を取り出してる。
それを違う鉱物に変える、というこの前と同じこと。
でもその一度だけだし、何をするわけでもないというのに、なんだろう。
「サカイ、ちょっとこっちおいで」
集団からぬける。
その横に同じような台を設置する。
「わかってるわね?」
「はい」
魔法陣の描かれた布を広げさせる。
その上に銅鉱石。
「あ、こちらでも何かやってるわー」
私の棒読みのセリフで、何人かこちらにも向いた。
これで、詐欺師さんたちとサカイを囲むように、人だかりができた。
逃がさないわよ、詐欺師さんたち。
詐欺師さんたちが眩しい光を出してる隙に鉱石を変える。
その横でサカイが銅鉱石を鉄鉱石に、みやすい感じで、変化させる。
「「おおー」」
どちらにも驚きと称賛の声が上がった。
詐欺師さんたちもサカイを見てる。
サカイが続けて3回ほど同じことをして、お辞儀をし、台を片付けた。
周りにいた人たちはさーっと散っていく。
詐欺師さんたちがいつもやってることだから、終わったら解散というのだけ、身についてるんだろうな。
私たちも、サカイを連れて、泊まっている宿へと帰る。
その後を詐欺師さんたちが離れてついてきているのは知ってたけど、わざとしらないふりだ。
これであとは餌に食いついてくるのを待つだけ。
それはいつかな。




