249~どんなものでも~
サカイの修行の間は、私はだらつく。
なぜかというと、物質変換ができてないから。
魔法陣は発動しているけど、圧倒的に魔力がたりない。
あれ?
サカイって、一緒にダンジョン行かなかったんだっけ。
そうか。
弱いままだったかも?
発動途中で消えてしまうので、素材もそのまま消滅する。
不思議といえば不思議だし、失敗作が残らなくていいといえばそうだろうけど。
産業廃棄物だものね。
そろそろへばってくるかな、というところで、強制的に魔力補充。
ポーションドランカーと化すかもしれないわね。
でもまあ、失敗するたびに、あれこれと検証してノートに書きこんでいく姿は、いいと思う。
「やった・・・」
魔法陣が今までより光を発して、ようやく、最初のができたようだ。
視てなかったけど。
「品質は~?」
クッションに寝転びながら聞く。
ああ、ここに本かタブレットでもあればいいのに。
さすがに飽きてきたわ。
「最低です・・・」
「まあでも、コツはつかめそう?」
「はい!できそうな気がします」
「それじゃ、また、やって」
失敗してもいいんだから、どんどん作らせよう。
詐欺師さんたちもまだ動かないみたいだし。
でも、サカイが限界が来るか、詐欺師さんたちが動き出すかの、どちらかになりそうで嫌だな。
でも今は、サカイが失敗しないように、低品質でもいいから、物質変換でミスリル銀くらい作れるようになるといいわ。




