247~レアな鉱床があってもね~
もふもふを名残惜しい気持ちだけ残して、詐欺師さんたちを追う。
ほんと名残惜しい…
もしかしたら、階層主もモフれるかもしれない。
また今度、このダンジョン来てみるかな。
でも今は、たどり着いた鉱床。
…ここにあるのって、銅とか鉄とかだけじゃない?
珍しい宝石か鉱石、あるかな?
「サカイ、静かに、その辺、鑑定してみなさい」
まだまだ鑑定スキルが低いから、もしかしたら、無理かもしれないけど、なんでも修行よ。
「…ほとんど鉄ですね」
「鉄ね」
いや、あってるけど。
70パーセントは、鉄が含まれてる。
まだまだ鑑定甘いな。
「でもあの人たちは、ここに用がある。レア鉱石があるのかもしれない」
前の方を行くふたり。
もう向こうから見えてもいいのだ。
私たちは浅いとこで、鉄鉱床を掘る、振りだから。
いや、少しは持ってくか。
サカイの修行の一つにしよう。
性質変化くらいできるようにならないとね。
そこかしこから掘り進める音が響く。
私たちや詐欺師さんたち以外にも来ているのがわかる。
私は、詐欺師さんたちを視ているから、どこにいるのかもわかる。
キョロキョロし始めたな。
なんだろう。
人がいないか確認してるのかな。
フードを深く被っている方が掘り始めてる。
本来、精製するのだろうけど、そこはゲームの世界?だからか、ダンジョン仕様なのか、そのままが掘り出される。
あ。
鉄じゃない。
あのあたり、レア鉱石を含む、鉱床なのか。
んー?
ミスリル鉱石か。
結構大きい。
アレを手品で使うのか。
何のためか、やっぱりわからないな。
「師匠、どうしました?」
「ん?ああ、もういいや。出よう。きっとあの人たちも戻ってくるよ」
次にあの手品やる時に、隣で本当の錬金術、やらせよう。サカイに。
鉄は、メイちゃんとシツジローくんが、そこらじゅうから掘り出してくれたみたいだし。
もう用事ないな。
帰り際も、名残惜しいもふもふを残して、まだ夕方になったばかりのダンジョンの外に出た。
あー。
疲れた。
寝たいわ。




