245~あれ?~
「そういえば、疑問だったんですが」
サカイが急に言い出す。
何よ、こちらはもふもふを堪能してるのよ。
家に帰って、シリウスたちをもふりたい。
やはりお手入れしてるから、あの子達は毛並みが違うよね。
それより、なんなのよ。
「階層主と闘ってませんよね」
何?
今更それに気づいたの?
「それがどうかしたの?」
「おかしいじゃないですか」
「ここのダンジョン、階層主のリポップは5日かかるのよ」
そう。
5日。
忙殺されている運営さんたちの、ちょっとした手抜き。
ヌルいダンジョンの階層主のリポップが、ものすごい遅い。
ここの階層主のドロップが欲しいなら、次のリポップまでまたなければいけない。
代わりにいない間は通り放題。
階段が出る。
他の人が倒して先に進んでいるだろうから、階層主とは闘わなくてすむ。
闘ってもいいんだけどね、ほんとは。
でも、今は詐欺師さんたちの後をつけるのが優先。
だからやらなくていいことなんてやらない。
「その、魔獣を撫でているのはやらないといけないことですか?」
なんですと?
せっかくお腹見せてくれてるのに、触るなと?
癒しなんだからこれはやらないと。
階層変わっても、触らせてくれるのだから、堪能しますとも。
「サカイもさわれば?」
「触りたいですけど、歯を剥いて威嚇されてるので」
さわれないのか。
仕方ないよね。
レベル高いはずなのに、サカイは舐められてるな。
さて。
詐欺師さんたちもまた少し進んだようだし、ついていきますかね。




