245~ダンジョンのちょっとした変化
階層を降りてすぐ。
目のまえに犬がいる。
コボルトだったかな。
おなかを出して、明らかに服従してる。
いや、私は麦の穂を振っているだけだよ?
しかも、ダンジョンの魔獣って、相手のレベル関係なく、襲い来る仕様だったような・・・?
明らかに私が戸惑いながらも見てると、メイちゃんが先に行こうと促してくれた。
そうだね。
でもさ、この先の犬たちも、みんな同じ状態なんだけど。
二階層に何があったの?
「戦わなくて済むなら、それに越したことなありませんから」
ああ、うん、そうだね。
暇なままのほうがいいけど、目のほうで戦っていた冒険者さんたちが、茫然とこちらを見ているんだけど。
釈明したほうがいいのかな。
あと、何匹化の犬、ついてきているんだけどね。
振り向くと、服従のポーズになるけど。
「かう?」
「ダメですよ、お嬢さま!何匹いると思っているのですか!」
「プラム郷に連れてっちゃダメ?」
服従のポーズの犬のおなかを触る。
うん。
いい毛並みだ。
「ナナのお土産に」
「ダメです。大体、このダンジョンから総遠くへは出られないはずですよ」
「そうなの?」
確かに、時期で出てくるあの虫たちも、あのダンジョンから外に出はするけど、プラム郷より遠くはいけない。
残念だ。
「テイムしたらダメなのかな?」
「ダンジョンマスターの許可がないと、連れていけないですよ」
そうか。
テイムできるのって、ダンジョンにいない魔獣だものね。
ここのダンジョンマスターも・・・
「ダメですよ。ダンジョンまた壊す気ですか」
「いや、そんなこと!」
焦ったわ。
ばれてる。
でも、虫ダンジョンの虫なんて、テイムしたくないし。犬のほうがいいし。
シリウス居るけどさ。
「誰が面倒見ると思っているのですか」
「うっ・・・」
確かに、私はお世話してないけど。
仕方ない。
ほんとは欲しかったけど。
「どうしてもだめ?」
「ダメです」
残念。
プラム郷に一匹くらい、犬も欲しいなあ。
ボスたちが嫌がるかもだから、慎重に考えないとか。
まあ、あとで考えよう。
結局ここでは、しっぽを振り振りあとをついてくる犬を伴っただけだった。
鉱床はどこかな。




