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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
24/281

24~たまにはいいことだってします その2~

小さな集落にまだ居ます。寝ぼけ主人公だって、たまには夜中に起こされもします。

私が起きたのは夜中だった。

うん?

起こされたのよ、シツジローくんに。

もちろん、起こしたなりの殺気は飛ばしましたけどね。

ウーマだけじゃなくて、外にいたほかの馬もおびえたらしいわ。

知らないもの、そんなの。


「すみません、お嬢さま」

「いいのよ、来たら起こすようにとも手紙に書いてあったはずだし」


眠ってしまったのは私の落ち度よ。


外には、シツジローくんが連れてきたジューノさんがいた。

帰っって来た居たんだ?


「こんばんは、およびと聞いて、はせ参じましたよ、アイリーン殿」

「ジューノさん、こんばんは。ごめんなさいね、こんな夜中にこんな場所まで呼び出して」


あの街からさほど遠くないとしても、この王都の決まっている馬の速さでは、時間がかかるはずだ。

メイちゃんに、夜中だけど、ジェムさんを呼びに行ってもらう。


「つめるだけの食料を持ってきました。もちろん定期的にここに卸しに来ましょう」

「悪いわね、ちょっと待ってね…と、来たわね」


ジェムさんが来た。


「夜中に何の用だ?」

「ジェムさん、こちらを紹介したかったのよ。ジューノさん、門番街の商人さんよ」

「え?なんだ?」


まだ寝ぼけているのかもしれない。


「私の知り合いの商人さんで、門番街で雑貨屋さんをやっているの。・・・ジューノさん、こちらがこの集落の長のジェムさん」

「ジェムじゃない、ジェヌだ。・・・よくわからないが、初めまして。この集落で長をやっています、ジェヌです」


ジェムさんが頭を下げる。

ジューノさんもあわてて頭を下げた。


「わたくしは、門番街でジューノ雑貨店を営んでおります、店主のジューノです。アイリーン殿には命を救われましてね。ちょうど門番街に帰ってきていたところ、こうしてお手紙を届けられましたので、はせ参じた次第です」


にこにこと商売人の顔だ。


「そういえば、よくこんな早く来られたわね」

「シツジローさんが隠れ身の魔法をかけてくれまして、さらに馬車ごと、シツジローさんの収納魔法に収納していただけたので」


ああ、なるほどね。

それならすぐだわ。

行きもそれで行ったのだろうしね。


「おい、なんの話だ?」


そういえば説明してなかったか。


「シツジローくんにお金と手紙もたせて、ジューノさんにここの集落に食糧援助をお願いしたのよ。支払いは、白金貨5枚だけだから、そんな長いことできないかもだけど、その間にこの集落の行く末を考えなさいよ」

「白金貨!おまえ・・・そんな金、この集落にはないんだぞ!」

「私が援助したのよ、あなたたちのお金じゃないわ。病気なのは栄養失調もあるでしょう。栄養付けて、体力戻して、先を考えてほしいわ」

「・・・ありがとう」

「しばらくはうちの雑貨店から食料をお持ちします。体力が戻ったら畑とかもできるでしょう。種などもお持ちしますよ。おいおい考えましょう。何、白金貨5枚ですよ。十年単位でゆっくり考えられましょう」


豪快にジューノさんが笑う。

あれ?そんなにあるものだった?白金貨なんて、崩さなきゃ使えなくて嫌なものでしょうに。

私たち、プレイヤーは取引の一つだったからどうでもいいけど。


「それじゃあとはよろしくね。私は寝るわ」

「え?ああ?」


何かわかってないようだけど、私はもう眠いし。

ジューノさんは勝手に帰れるだろう。

魔物除けのお香はいっぱいあげておかないとだわ。

一番いいのにしてあげよう。

冒険者抜きでここにいるものね。

無事に帰れるといいけど。

朝にでもシツジローくんにおくらせたほうがいいかしらね。

どうせすぐでしょうし。

私は寝る。


運営さん、おとなしいわね。


<おとなしくしているわけではないが、口も出せることではない。それに静かにしているときは、あちらの仕事しているときだと思っててくれ>


そうなんだ。

そうよね、ここだけ見ていることなんてできないものね。

まぁいいわ。

さっさと寝ましょ。

明日のお昼には、ここを発ちたい。


「今度こそ、おやすみなさい」


頭がぼーっとしてきたわ。





読んでいただきありがとうございます。今回短いです。

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