239~近くにあるダンジョン~
長らくご無沙汰していました。2025年、最初の投稿です。
まだ忙しいので、またあいてしまうかもしれませんが、少しでも頑張ります。
詐欺師たちがいなくならないうちにだと、朝にはたずねないとだよね。
もしかしたら、シツジローくんあたりが追跡をかけている可能性あるけど。
寝て起きたら朝のはずだし、寝よう。
・・・そう思っていた時期が私にもありました。
寝て起きたら翌々日の昼だって。
知ってたよ。
いつものことだよ。
メイちゃんもシツジローくんも空の人もサカイも呆れているよ。
でも、彼らはまだ出かけていないようだし。
よかったじゃないか。
「どうやら、鉱石が取れるような山の近くの依頼が出ていないようです」
「ああ、そういう・・・」
それなら好都合。
いや、それだと急にいなくなられたら困るか。
「なら、だそうか。あの二人が狙いそうなものって何かな?」
「そうですね・・・この辺りのダンジョンにミスリルがあるという噂ですが、本当かどうか。ダンジョン一階から、凶悪な魔獣が出るそうです」
「凶悪な魔獣?」
なんだろ。
ドラゴンかな?
竜と違って、ドラゴンとこの世界で呼ばれている魔獣は、いわゆる「もどき」なのだけど。
そんなことこの世界の人たちは知らないし、確かに魔獣の中では強いほうだと思う。
もちろん、「もどき」ではないドラゴンもいるけど、この大陸じゃないしね。
ちなみにベヒモスはもどきじゃないから、うちのベヒーはもどきドラゴンじゃありません。
「う~ん…、ここのダンジョンて・・・」
私は記憶の中の地図を引っ張り出す。
うん。
この辺りだから、確か・・・
「ケルベロスがダンジョンボスのダンジョンね」
「ケルベロス!?」
サカイが大きな声を出す。
なんなのよ。
「ケルベロスに何を驚くことがあるのよ。単なる三つ首の犬よ」
「いやいやいや・・・何言ってんですか、師匠。恐ろしい魔獣ですよ!」
「どこが?」
雑魚だよ、ここのダンジョン。
ちなみに、このダンジョンは、各界の階層ボスがオルトロスなんだけど、地味に強さレベルが違うのが面白い。
「あー・・・そうでした。師匠はプレイヤーさまでした・・・」
「むっ。何その言い方」
「本来、ケルベロスなんて、A級冒険者でも、パーティで戦うのですよ?」
「いや、ザコだし」
コボルトが一階にはいたけど、階層重ねるごとにヘルハウンドとか出てくるんだよね。
でも五階までしかないダンジョン。
地下五階建て。
つまりなぜだか転移陣とかないダンジョン。
そうか。
でもここは確かに鉱石がいっぱいあったような?
「たった五階なのに、だれも踏破してないのかしら?」
「できませんよ。集団で魔獣が襲ってくるので、てこずるダンジョンですから」
「サカイは入ったことあるの?」
「昔一度だけ。・・・サカイ領に近いので。あと、スタンピードの気配が周りに出ると、討伐体が組まれて、一階だけでも減らすのがここの冒険者ギルドに求められていることなのです」
「ふーん・・・」
全部の階を一度総さらいしたら面白そうだけど、それじゃ彼ら二人にはきついか。
「オルトロスのドロップ品なんて、依頼出したらあの二人行くかしら?」
「あの二人を死地に追いやる気ですか、師匠。魔王ですか!」
いや、プレイヤーなので、神でも魔王でもすきに呼んでくれ。
「だめかあ。それじゃコボルトのドロップ品ならいいのかな」
「それなら、入ってすぐに湧くでしょうから、まあ・・・」
「だよね」
依頼出すかな。
何を狙っているのか聞きたいけど、実力も見たいし。
ちょっと楽しみかな。




