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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
237/281

237~せっかく噂のもとがいたのに~

噂が聞こえたのは、さらに、数日たった時。

もういないのかと思ったのに、どうやら、広場に来たらしい。


「いくわよ」


期待はしていないけど、でももしかしたら、会ったことのないプレイヤーかもしれない可能性。

だってフレンドほとんどいないから。


広場ではフードを目深にかぶった男性二人が、小さな魔法陣が書かれた布の上に、石を置いている。


「この何の変哲のない石ころを、今からオリハルコンにして見せましょう」


おお。

物質変換するのね。

私もできるけど、見世物にする気はなかったなあ。

こういう街頭パフォーマンスで、錬金術を広めていくのか。

でも、オリハルコンか。

どんなもんだか。


パフォーマンスをまじかで見てる人たちが多いけど、フード男の一人が、危ないから下がってとか言ってる。

まあ、魔法陣に触れたら危ないかもだけど、そうでもないけど・・・


一瞬、まばゆい光の後、石ころが金属になってた。

うん?

発動してないな。

そして明らかに量がおかしいよね。

おおきくなってる?


「シツジローくん・・・」

「あれは、光で皆さんが目を細めた瞬間に、そでから出したものと交換していました」


さすがドール。

光なんてなんのその。

あーあ、やはり詐欺だったか。


見学客の多くが称賛しているけど、こちらはため息よ。

本物じゃない。

でも、あのオリハルコンは本物だなあ。

パフォーマンスでお金もらって、サクサクと引き上げか。


「メイちゃんシツジローくん、あの二人のことちょっと調べてくれない?」

「「かしこまりました」」


私はサカイと空の人連れて宿に帰る。


「師匠、すごかったですね!」

「だからあんたはいつまでたってもポーションの区別ができないのよ」

「ええ?」

「すりかえだって。魔法陣が発動しなかったでしょ」

「そうなのですか?」

「あなた、いつまで、ぼんやりと錬金術やっているのよ。きちんと発動するときの魔力の流れも勉強しなさいよ」


そのための本を渡しているというのに。


「すみません・・・」

「まあ、それじゃ、あれが偽物だって分かったし、メイちゃんとシツジローくんの結果待ちで、街を出るわよ」

「はい・・・」


こっちも期待してたんだよ、少しだけ。

錬金術が細々とでも息づいているって。

それをただの詐欺じゃ、ないわー・・・


早く街を出て、卵探そう。

そのほうがいい気がしてきた。

でも今日はもう寝よう。

イライラすると眠くなるわ。

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