236~視えたらしい~
メイちゃん策の服を送ってもらって、次の日。
ああ・・・
ほんとにもう、プラム郷に帰りたいわ。
ナナのファッションショーしたいのに。
どこにあるのよ、卵。
魔力を通したはずのサカイは、まだうなってる。
ああ、ポーション瓶を見てじゃなくて、まだ急に回りだした魔力になじめないらしい。
軟弱だ。
「いい加減起きなさいよ」
「うう・・・まだ目が回ります」
「よかったじゃない。目にも魔力がいきわたったってことでしょ」
どうやら、この世界の人間は、魔力をどこかで滞らせているみたい。
中にはきちんと巡らせられる人たちもいる。
リアさんとか・・・元王様とか・・・サカイ様もきちんとめぐってたはず。
一気にレベル上げた影響なのか、エイトもスズランも魔力のめぐりはよかったはずだから、そういうものなのかもしれない。
レベルに合わせて魔力が巡るようになっているのかな?
あとで運営さんに聞いてみよう。
「早くできるようにならないと、あんたを弟子失格にして、ナナを一番弟子にあげるわよ」
「・・いやです・・・ゆずれません」
「なら早く整えなさいよ」
魔力の整え方なんて知らないけどね。
乱れた魔力は体力を奪うそうだしね。
「お嬢さま、私が手伝ってもよろしいですか」
「シツジローくん。そうね、お願い」
手伝うって、どうやるんだろう。
視てようかな。
シツジロー君が、サカイの手を握る。
ゆっくりと、サカイの乱れた魔力を自分に受け取っていく。
ドール種は、避雷針のようなもので、自分に流して外に無害に流すことができるしね。
サカイの魔力がだんだん落ち着いてきて、無理やりこじ開けたところの、変な魔力暴走もなくなってきた。
「これで大丈夫ですよ、サカイ様」
「ありがとうございます、シツジローさん」
にこりと笑んだシツジローくんに、サカイがウルウルした表情で見つめ返している。
変な扉は開けないでよ、おっさん。
おっさんのウルウル顔、気持ち悪いから。
「ほら、さっさとやりなさいよ」
「師匠は鬼ですか」
鬼の概念があるのか、この世界。
「鬼でもあくまでも魔王でも好きに呼びなさいな。制裁されたいならね」
「すみません、冗談です」
「今なら魔力を目にためるのも楽でしょ」
「はい。頑張ります」
その後一時間ほどかかったけど、水とポーションの区別がつくようになったみたいだし、いいか。
鑑定スキルは・・・、取れたようだから、これからよね。
あとは、ポーションの投球が分かるようにならないとだしね。
「水はよけておくから、あとはこの三本の瓶とにらめっこ続けなさいよ」
「・・・やはり鬼だ・・・」
「聞こえたわよ」
「なんでもないです、すみません!」
あーあ、まったく。
あと何日この街に滞在かな。




