234~それでも服は見て回ろう~
洋服を売っている店。
古着とか仕立て直しも売っているらしい。
なんで?と思ったら、新品の服は高いのだとか。
そうか。
虫の糸だからか。
私の服は、ワールド・ガイアのゲーム仕様だけど、魔獣の毛皮から仕立てられたものがほとんどだ。
あとは、混紡。
なぜか運営さんたちは、プレイヤーの服装だけは、こちらの世界にあわせず、あちらの世界にあわせているものが多い。
なんで?と聞いてみたことがあるけど、ファッションリーダー的な女神さまの案なのだそう。
どの方かわからないけど、その女神さまが付かなくてよかった。
私の服装観たら怒られそうだ。
シャツにパンツにマントというのがいつもの服装だからね。
ちなみに、それがいっぱいあるので、着替えてないわけじゃないんだけど。
「シツジローくんやメイちゃんのお仕着せ、こちらで作ってみる?」
「いりません」
えー・・・
確かに、シツジローくんたちの服も、ワールド・ガイア仕様だし、同じものだけどたくさんあるし、戦いもできる防御とか特化した服だけど。
「つまらん」
「サカイ様に買ってあげたらいいじゃないですか」
「やだ」
サカイは自分でふく持っているし、だいたい、そういうのはしたくない。
そのうち自分でいろんなものを付与した服が作れるようになるでしょ。
一番弟子を名乗るのだから、それくらいさせなくては。
スズランに負けているんだからね。
「空の人はどうする?」
「当たり前だが、そでを通すことはない」
「そうだよね。・・・ナナにお土産にかわいい服買っていこうかな」
「ナナは獣人ですから、獣人が着られる服がいいと思います」
「耳とかしっぽとか出ているものね」
獣人服は別に売っているらしいけど、あまりかわいいのがないんだよね。
愛玩用としての奴隷ようなのはあるけど、本来、この国では獣人はあまりいい扱いされていない。
「おぬしが作ってあげればいいのではないか?」
「空の人、面白いこと言うわね。家事一般は、私はメイちゃんに怒られることしかしたことないわ」
どやっ
「そういう意味では、おぬしはお嬢さまなんじゃな」
あきれないでよ。
前世だって、ボタン付けくらいはやれたよ。
洗濯は確かにほぼクリーニングにお世話になってたけど。
あとはほぼ休みがなかったからなあ。
自分でもあきれるな。
疲れていたんだもの。
・・・パソコン周りだけはきれいだったよ、うん。
「メイちゃんにかわいい服作ってもらって、ナナを着せ替え人形にして遊ぼうかな」
「おぬし・・・」
いいじゃない。
ナナは私にとって癒しだし。
「布を大量に買って帰ろう」
「承知しました」
布だけも売っていてよかったよ。
メイちゃんいないで勝手に決めちゃったけど、どんな服を作らせるか楽しみ。




