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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
231/281

231~疑問は解決できません~

朝になって起きたら、もう、みんな門の前で並んでた。

ああ、行列長いなあ、と思ったら、晩御飯といつの間にかメイちゃんが今日の朝食を作り分けてあげてたらしく、もらった人たちが順番を譲ってくれた。

昼前には入れそうだって。

私はまだ馬車で寝ていようかな。


「サカイは朝から頑張りなさい」

「はい・・・」


目に集中させるくらいなんだから、結構簡単だと思うけど、そうでもないのかな。


「目に魔力をためて見えるようになると、書類仕事のウソも見分けられるようになるわよ」

「ほんとですか!」

「うん、ほんと」


まあ、嘘だけど。

気合いが違ってくるでしょ。


「頑張ります」

「ええ・・・がんばって」


がるがるさんが仕事しないから、きついのかな、書類仕事。

頑張ってほしいな。

もしかしたら、真贋スキルもとれるかもしれないじゃない?

お試しと思ってほしい。


ほぼ揺れることのない馬車の中で、集中してても酔いはしない。

この世界の馬車は酔いそうだからな。

ゲームの中の人って、三半規管が強いのかもしれない。

ゲームだけじゃないか。

昔の人って、強かったんだな。


私と空の人は、クッションでごろごろしてる。

ごろ寝しながらも、空の人は難しい顔してる。


「どうかしたの?」

「いや・・・、今までの卵を見て思ったのじゃが・・・」

「うん?」

「空のものの卵、多くないか?」

「確かにね」

「落としても気づかないくらいの大きさってわけでもないのにね。あなたも気づかなかったんでしょ?」

「そこなのだ。本来、あんな大きなものを抱きかかえているのに、いつの間にかなくなっても、気が付かないものなのじゃろうか」


そんなこと言われてもな。

気づかずに落としている人に言われてもな。


「どういう状況だったのかも思い出せないんでしょ?」

「ああ、普通に散歩をしていただけじゃからな」

「そうなんだ」


それじゃ確かに疑問に思うよね。

儀式で住んでたところに忘れてしまうよりはおかしい。

でもこれって、ゲームのイベントだから、深く考えたことないな。


「神は何を考えておるのか。・・・われらに卵を持たせる竜も・・・」

「ああ、そういうことか。竜に聞いてみればいいじゃない。卵がかえったら会えるんでしょ?」

「そうだが・・・」

「難しいこと考えると疲れるよ。あなたは竜が卵を預けるに値する人だったってことなんだから、疑問に思わないほうがいいよ」

「そうか・・・」


私の言葉なんて無責任だから、心には響かないだろうけど、卵が見つかって、その疑問は竜にでもあった時に聞いてほしいわ。

今は卵のほうが先。

今向かっているところにあるとは限らないのだから。

それにクエストだから、といわれても、この世界が現実の人たちにはわからないからね。


昼過ぎだったけど、何とか門の中には入れた。

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