224~おうち作らないとね~
ナナは、メイちゃんのおやつに、早速食いついてる。
うん。
きちんと残しておくんだよ?
まだ、旅は当分続くから、帰ってこないよ?
「大丈夫です、お嬢さま。行く前の三倍ほど、会議室のボックスに入れておきました。
この家にもたくさん置いていきますし。・・・ああ、この家には、マジックバッグがなかったですか」
「ナナ持ってるよ」
「ナナのカバンにも入れておきましょうね。そのほかにも、置いておけば、家族で食べられるでしょう」
「わーい。メイおねーちゃんありがとー」
食べ物持ったまま、駆けまわるナナを、がしっと捕まえるメイちゃん。
そうだね。
お行儀悪いね。
メイちゃんには、先ほどナナが養女に行くという話をした。
すると、そちらの家にも、おやつをもっとおいておかなければと、去ってしまった。
おいてもいいけど、マジックボックスおいてないよ?
・・・仕方ない。
今日はここでマジックボックスづくりと、家づくりしよう。
シツジローくんに戻ってもらって、事情説明してもらうか。
「私は一度家に帰るから。また来るわね」
「うん、おじょーさま、おやつありがとう」
「食べすぎはいいお姉ちゃんになれないからね?」
「・・んぐぐ。ナナ、きちんと残しとくもん」
もう、テーブルの上のおやつは最後の一つ。
マークもビイトもナナに譲ったので、山盛りにあったものはすべてナナのおなかだ。
分けることも覚えようね?ナナ。
最後のおやつを自分のバッグに詰め込むナナを見て、呆れた表情の二人に、私が持っている分を渡す。
ナナはこれから常識を学ぶ子供だな。
家の錬金部屋。
容量はそこまで大きくなくていいよね。
家一つ分くらいがいいか。
箱の大きさは、前世のポテトチップスが入っていたような段ボールの大きさ。
それを三つ作る。
シツジローくんが戻ってきたので、両家に運んでもらう。
あと一つは、マークとビイトの家に設置しておこう。
二人がいつでもできたてが食べられるように。
二人の家を作るために、拠点にて、木材を手に入れてきた。
え?
プラント母さんの枝?
そんなの使っていいの?
プラント母さん、自分で剪定して、枝をまとめておいてくれてる。
・・・木材用の巨木だよね?これ。
そう・・・
いらない枝なんだ?
この量だけでも、家が何件建てられるか。
まあいいや。
乾燥と加工。
プラント種の枝は、加工がしにくかった。
でも立派なのができそうよ。
プラム郷にて。
どのあたりに作るか聞いたら、ナナがいつでも遊びに来られるようにと、ビイト家の近くだった。
ナナがお泊りもできるようにって、部屋は個人の部屋が三つと、トイレとお風呂とリビングダイニング。
そんなに大きな家じゃないけど、二人が普段住むにはいいと思う。
冒険者のおうちだものね。
地下室も作っておく。
ここに売らなかった素材とか並べておくといいよね。
武器も置いておけるよね。
リビングダイニングには、先ほどのマジックボックス。
各部屋の家具やベッドは、自分で買いなさいといっておく。
一応、働いているのだしね。
・・・あ、シツジローくんとメイちゃんで、ベッド作ってあげたのね。
なんて心が広いのでしょう。
ナナのは作るよ。
やはり、御姫様ベッドだな。
天蓋付きだぞ。
クローゼットもかわいく。
・・・プラント母さんの木材はすごいな。
加工の仕方がよくわからなかったけど、こういうの作りたいなって、クローゼットの絵をかいてみてたら、なぜか魔力反応とともに、それが出来上がってた。
そうか。
こうやって使うのか。
プラント種の中でも特殊なのかもしれない。
家もこうやって絵にかけば簡単にできたのかもしれない。
クッションやらは、メイちゃん任せ。
私に期待はしてはいけないね。
ああ、でも少し魔力使いすぎたかな。
眠くなってきた。
まだ、卵探しの途中なのに・・・
ああ、眠い。
「シツジロー・・・く・・・ん・・・」
意識が・・・
ああ・・・




