表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワールド・ガイア  作者: 水野青色
222/281

222~驚きなのは~

サカイの錬金部屋から持ち出したのは、小さな投影機だった。


「師匠、これは何ですか?」

「投影機。真っ暗な部屋ないかな?」

「部屋が暗くなるのは、夜にならないと・・・」


だよねぇ。

こっちって、そういうものだった。


「それよりも、プラム郷に連絡したら、ナナがいじけていると連絡が」

「ええ?」


ああ、そういえば、おやつが足りないって連絡来たっけ。


「ちょっと、プラム郷に行ってくるよ」

「え?どうやって?」

「あー・・・。ポータル使って」

「・・・ああ・・・」


サカイも納得したようだし、馬車に戻るか。

メイちゃん連れてかないとねぇ。

シツジローくんも。

・・・あ、シツジローくん、拠点のほうに行ってるのか。じゃあいいや。


こっそりプラム郷。

家の中なんだけど、あれ?誰かの気配・・・


「おじょーさま!」


ドアを勢い良く開けて、ナナ。

なぜ帰ってきたの気が付いているのよ。

野生の勘?

いや、この子は、それはなさそうだね。


「ナナ・・・」

「おなかすいた~」


わがままに泣いている。

メイちゃん視て、ウルウルしているし。

はあ・・・


「メイちゃん、おやつ作ってあげて」

「はい」


ナナはもう、椅子に座っていい子にしている。

それにしても、あの量を食べつくしたのか。


「ナナ…そんなにすぐに食べ終わる量だった?」

「あのねぇ。みんなで食べたの。メイおねーちゃんのご飯、みんな大好きなのに、いないともらえないでしょ?」


あれ?

ナナがきちんと話してる?


「ナナ・・・、大人になって・・・」


なんだか目頭が熱いわ。


「ナナ、おねえちゃんだもん」


胸を張る。

うん。

まだおこちゃまだわ。


メイちゃんのおやつができると、ナナはすぐに飛びついた。

飢えているのか、といえるほど。


「ある程度食べたら、外行くかな」

「うん。みんなまってるよー」

「まだ正式に帰ってきたわけじゃないんだよ?」

「でもみんなまってるよ?」


ここのみんなは私を受け入れてくれているものね。

うれしいな。


「ママにあってー」

「ん?わかった」


なんだろう。

チトセさん、何かあったのかな?


「お嬢さま、私は集会所でおやつ作りしてきます」

「あ、お願い」


まだ旅が続くしね。

いっぱい作ってきてもらおう。


外でこっそりと思ったけど、無理だった。

すぐに見つかって、なぜかジャムさんが来ている。


「アイリーン、帰ってきたのか?」

「まだ。ポータルで帰ってきただけよ。ナナのおやつ作り」

「ああ・・・」


ジャムさん、呆れた顔しないでよ。

ナナはすぐ飢えちゃうでしょ。


マークとビイトも返ってきているみたいね。


「あ、ねーちゃん」

「久しぶり。最近どうなの?」

「それそれ。ねーちゃんに頼みがあるんだよ」

「頼み?」

「そう。・・・あ、忙しい?」

「あー・・・チトセさんに会いに行くんだけど」

「あ、ちょうどいい。母さんにも関係するんだ」


マークも頷いている。

ん?

チトセさんにも関係していること?

なんだろう。


ジャムさんの用事はチトセさんのあとね。

ということで、ダンゴロー家族の住む家。

ダンゴローさんはお仕事、ではなく家にいる。


「ああ!お嬢さま!」


ダンゴローさんが駆け寄ってきた。


「お久しぶりです。お変わりないですか」

「あああああ・・・・ナナが連れてきてくれたのか!」

「おとーさん、おちついて」

「だって、なあ」

「おじょーさまが、驚いているよ」


うん。

驚きよりも、あぜんとしているんだけどね。

何?


「そうだ。ああ、こちらに」


チトセさんがベッドに寝ている。

え?病気なの?


「チトセさん、だいじょうぶなの?」


上級ポーションならすぐにあるし、だせるけど。


「あ、お嬢さま、お久しぶりでござます。私なら大丈夫ですよ、病気ではないです」

「ああ、そうなの」

「じつは、妊娠しまして・・・」


赤くなりながらチトセさん。

おろおろ淡々しながらダンゴローさん。


え?

妊娠?

思考が停止した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ