219~まったりさせてよ~
和室に通された。
いや、ここはすべて和室なのかもしれない。
畳にくつろぐ。
座布団ではなく、クッションというところが、時間を感じる。
座布団、縫えないのかな?
今度メイちゃんに作ってもらって送ってあげよう。
やはり和室は座布団のほうがいい。
領館から来たのであろうメイドさんが、紅茶を出してくれる。
緑茶はなかったか、残念。
向かいに座るのはサカイ様。
いろいろ聞きたいようだ。
「さっきの部屋は、言ったとおり、写真がいっぱいあった部屋よ。その前の部屋は、ポータルが置いてあるのだけど、あそこはあなたたちでは使えない」
「開けることもできないですか」
「そうなってる。仕方ないと思うよ」
スーベニア・サカイが残した家自体も、ワールドガイアのものだから、簡単には変えられないしね。
このほかの部屋にも、いろいろありそうだなあ。
「錬金術部屋もあるのでしょうから、あとでみるわ」
「お願いします」
とりあえず今はまだまったりしたい。
ついて早々ここに来たのだし、疲れてはいないけどね。
「お嬢さま、そろそろお夕食のお時間です」
「ああ、そうなの?・・・馬車に戻ろうか」
「いやいやいや、領館のほうに食事は用意させてありますから」
「いや、いいよ」
堅苦しそうで嫌だわ。
「うちの家族しかいませんから」
「だから嫌」
めんどくさそうだし。
「それならここで食べてるほうがいいわ」
「わかりました、早速手配します」
いや、断ってよ。
めんどくさいな。
マナーもないわよ、私。
あと、メイちゃんのご飯じゃなきゃ、おいしくないじゃない。
「お嬢さま、手伝いに行ってまいります」
「ああー、わかった・・・」
少しはましなものが食べられるかな。
夕食はなんだか静かだった。
貴族様ってこういうものなのかしら。
食べた気しないなあ。
領館の部屋に案内されたけど、寝心地もあまりよくないし。
あまり寝られそうにもないかな。




