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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
218/282

218~おもいでの~

開かずの間はいくつあるのかはわからないけど、スーベニア・サカイにとってのプライベート空間だったのだとわかる。

私にもあるしね。


ここだ、と連れてこられた扉も、ただの壁に見えるようだし、入るか。


横引の扉を開けて、驚いた。

壁一面の、フォトショ。

ああ、これは、懐かしのワールドガイアの風景だ。

スクショ、撮りためてたやつを飾ったのか。

ああ、私もスクショがあったけど、部屋に飾るなんて考えたことなかった。

そういえば、どこにあるんだろう。

向こうのパソコンの中なのか、ゲームの中なのか。

ゲームの中なら、ここにおけるよね。

あとで運営さんに確認しよう。


「これはみんなで海に行った時の写真だ」


懐かしい、フレンドメンバーが写っているな。

誰の呼びかけだっけ。

ゲームの中が夏だから、みんなで水着で海で遊ぼうって。

夏のお楽しみセット、だったかな。

スイカわりとか、ビーチフラッグとか、よくわからないのが売ってたっけ。

ゲーム内のお金で買えたから、無課金だったけど。

そうだ。

写真撮ろうっていいだしたのも、誰だったか。

みんなぞれぞれスクショして、最後にみんなで集まった集合写真。

それもそれぞれスクショしたはず。

これはそういうたくさんの思い出。

私とは違って、フレンドがたくさんいたんだろうな。

知らない人もいる。


部屋一面。

データはずっと持っていられるけど、部屋に飾って、当時を思い出していたのかもしれない。

・・・養子をとっていたといっても、知らない人ばかりの世界で、思い出は大事だったに違いないし。

私にとっても、ワールドガイアのゲームは、とても大事な思い出だ。


懐かしすぎるけど、これはスーベニア・サカイのもの。

いつまでもいてはいけない。

名残惜しいけどね。


引き戸を開けて、廊下に出ると、心配そうな顔で、サカイ様とサカイがこちらを見ている。


「どうしたの」

「どうって・・・師匠、二時間も消えていたんです!」

「え?」


そんなにいた気はしなかったけど、やっぱりなつかしさに浸っていた分、時間がたっていたんだ。


「ごめんなさいね」

「それで・・・」

「ここには、思い委での写真が飾ってあったわ」

「しゃしん?」

「あー・・・絵姿?っていうのかな」


この世界、写真なかったかー。

うーん・・・


「それって、祖スーベニア・サカイが描いてあるのですか?」

「そうよ」

「「みたいです」」

「あー・・・うん・・・ここからは出すのはよくないと思う。勝手にだすのはちょっと。・・・私も持っているはずだから、今度探してみるよ」

「「ほんとですか!」」

「うん・・・」


そうか。

みられるなら見たいのかもしれないね。

私もスクショがどうなったかきいて、家に飾ってみようか。

今、スクショがとれるなら、いろんなとことりたいなあ。


「すぐではないのは残念ですが、仕方なさそうですな」


息をつくサカイ様。

今はあきらめてほしいわ。

ああでも思い出を飾るなんて思いつきもしなかったから、来てよかったな。

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