216~応接間は豪華~
馬車の速度で、領都を進む。
うーん、遅いなあ。
ウーマが、急にいなないているんだけど、不満なんだろうな。
休めるとこついたら、ウーマを一度、拠点に帰そうかな。
おもいっきり走ってきてもらえば、すこし気が収まるかもしれない。
だから、二台の馬車の馬たちを怖がらせないでほしい。
領館につくと、お出迎えたくさん。
おお・・・
サカイ、ほんとに坊ちゃんだったのだね。
いつまでも独身のおっさんじゃ、こういうところでは困らないのかね。
ラノベとかでは、貴族って、ある程度のとこで婚約とか結婚とかしているはずなのに。
「師匠が何を思ったのかわかりますが、もう一人立ちさせてもらっているので大丈夫ですよ」
あれ?
思考が読まれてたわ。
まあ、いい年して独身なのは私も同じだしね。
家の中に案内してもらう前に、シツジローくんに言づけて、ウーマを拠点に連れてってもらう。
馬車自体は、私の空間魔法に収納。
ああ、こちらでお世話になる気はないけど、一応ね。
サカイも、サカイ様も、シツジローくんとウーマがいなくなったのに、驚きもしないけど、このサカイ父はなぜか焦っているな。
気にしなくていいんだけどな。
「アイリーン殿、明日、先祖であるスーベニア・サカイの家に案内しますぞ」
サカイ様の申し出。
そうだね。
一度見てみたかったんだった。
ちょっと楽しみ。
メイちゃんは、この領館の人と話して、食堂に行くらしい。
そうだよね。
私の舌を超えさせているメイちゃんがいないと、ご飯が食べられないしね。
応接室で、サカイとサカイ様と雑談。
サカイ父、仕事があるそうで、恐縮しながらいなくなった。
気を使わなくていいなら楽だわ。
「夜には兄夫妻と母も来ます」
「あ、そう」
会いたくないけどお邪魔している身。
仕方ないよね。
しかし、無駄に豪華な応接室だな。
貴族って大変なんだな。
「スーベニア・サカイが残した家は、いまだに開かずの間があるのですが、師匠なら開けられるような気がします」
「開かずの間?」
「魔法がかかっているのか、入り口もありません。残されている間取りを見て、そこに空間があるのが分かりますが、だれも入ったことがないそうです」
それって明らかに、プレイヤーしか入れない場所だと思う。
「そうなんだ」
「もしはいれたら、何があるのかだけでも知りたいです」
「わかった」
期待はしないでもらいたいけど、入れる気がする。
何はともあれ、明日に持ち越しだ。




