209~犬頭、猫頭~
猫頭と犬頭のケルベロス。
真ん中は絶対に犬頭。
ケルベロスの討伐方法は、首を全部一気に切って、心臓を突き刺す、のだけど。
気になったので、頭を一つずつ切り落としてみた。
猫頭は、次が犬頭だった。
真ん中は、犬頭のみだった。
両脇がランダムで、犬か猫になるようだ。
なので、猫頭二つと犬頭一つのケルベロス・・・ケルにゃロス?
これ、飼えないかな?
「シツジローくん、メイちゃん・・・」
「「だめです」」
だめかー・・・
なんで?
「そちらのボスからドロップできればいいですが、そうでなければ、このオルトロスの群れもともに飼わねばならなくなります」
確かに。
こんな、100匹からいそうなの、面倒見切れないよね。
定住しているわけでもないし。
・・・残念だ。
ドロップしてくれないかな、ケルにゃロス。
結果はだめだった。
ケルにゃロスを討伐した途端に、オルトロスの群れは一目散に逃げ去った。
残念。
「食べられそうにもないので」
素材になった。
ケルにゃロスの皮とかって、何に使えるんだろう。
・・・ほしかったなあ。
「し・・・師匠・・・何か落ちてます・・・」
ケルにゃロスとともに、結構な数のオルトロスも討伐したので、それも素材にしている中、サカイが何かをつまみ上げている。
「・・・これは・・・」
オルトロスだな。
しかもドロップ品。
なんでドロップするのかな。
「あー・・・、サカイ、あなたが契約したら?」
まだ子供のオルトロス。
小さい。
でも頭は二つあるんだね。
「テイマーの資質がないとできませんよ!」
「ないの?」
「・・・わかりません」
スーベニア・サカイの養子の子孫なんだから、テイマーの資質あってもおかしくないんだけどなあ。
『われが視てやろう』
「あ、お願い」
空の人は、そういうの得意だしね。
あれば引き出してくれるし。
ちょうどよかったね。
「サカイ、ちょっと頭こっち寄せて」
いわれたままにサカイが頭を寄せてくるので、空の人がポン、と手を置く。
『うむ・・・、引き出してやろう』
あ、やっぱりあるんだ。
「そのまま契約させて」
『よいだろう』
私と空の人の会話はわからないようだけど、言われたまま、サカイは持っているオルトロスの契約者にされた。
え?
サカイの許可なんてとらないよ。
弟子は師匠の言うこと聞くものでしょ。
「ほら、契約終わったよ、サカイ。名前つけてあげな」
「は?」
「いや、だから、テイマーの資質あったから、契約できたみたいだから、さっさとオルトロスの名前つけてあげなさいよ」
「ええぇ!」
なんで混乱しているのかしらね。
変なおっさんだわ。
シツジローくんがご丁寧に説明しているようだけど、もうどうでもいいか。
オルトロス、あれだけいたのに、ドロップが一つか、まあいいや。
でも、サカイはドロップと思っていないみたいね。
オルトロスの一匹が妊娠してて、親が死にゆく間際にその子供が産み落とされたのだと思ったみたい。
そう思うならそれでもいいや。
ここは現実だから、ドロップという概念がないのかもしれないし。
ちなみに、名前はロスになった。
サカイ、ネーミングセンスないわね。
お読みいただきありがとうございます。
サカイだけじゃなく、アイリーンもネーミングセンスありません、が書いている作者自身がそもそもネーミングセンスないので、ご了解ください。




