207~これも違う~
一晩過ごして、わかったこと。
クッションもない、こんな地べたで寝たの、久しぶりだわ。
身体が痛い。
硬くなった気がする。
伸びをしたら、関節がぽきぽきなるし。
野宿は、体に合わないな。
よく、ラノベとかの天性者、当たり前のようにやるよね。
キャンプを日常にやっていた人なのかしらね。
私は無理だとわかっただけでも、いいか。
シツジローくんがいろいろ用意しているから、顔洗えたし、基礎化粧はばっちりね。
どうでもいいけどね。
光球で明るいから、ここが洞窟内だということは忘れそうだけど、いまだひんやりしてる。
いいわね、こういうところは、夏場に過ごしたいわ。
明るかったら、だけど。
朝食後は、また移動。
矢印、続いているわね。
だんだんぬかるんできているし、歩きたくないけど、仕方ないか。
蝙蝠とかいるのに気付いた。
超音波は聞こえないけど、どうやらそれが攻撃らしく、体に何らかの衝撃があるから。
蝙蝠の魔物、だよね。
私には、そよ風程度だけど、サカイがのたうち回ってる。
「サカイ、大丈夫?」
「だ・・・」
声も出すのも辛そうだね。
「ちょっと目を閉じて、耳ふさいでて。シツジローくん、守ってやって」
「承知しました」
私にも結界張っておいて。
確か、音魔法には音魔法だとか、何かで読んだ気がする。
つまり空気の振動だよね。
あ創造魔法で、やってみたけど、怖いわ。
何かが落ちてきた音がする。
蝙蝠、だよね、きっと。
光球あるのによく見えないけど。
ほんの少し経験値が入った感覚がして、倒し終わったことを知った。
サカイはシツジローくんが回復かけてるから大丈夫でしょ。
蝙蝠魔物の超音波で、卵、割れないのかな?
「サカイー大丈夫?」
「は・・・はい、もう大丈夫です」
「蝙蝠いるみたいだから、あんたは気を付けて行動しないとね」
「はい・・・」
さて、矢印の方向、どんどん進んでいかないと。
きっと、こういうのがいっぱいいる洞窟なんだろうなあ。
虫がいたら、この洞窟燃やす!
何回かの野宿ののち、卵のとこついた。
卵・・・
祭壇に乗っかってるね?
これ、地の人の卵じゃない?
つまり、これ、求めている空の竜の卵じゃなく、地の竜の卵だ。
でも、祭壇に置きっぱなしはおかしいのよね。
地の人たちは、集落を持たない。
何処かでしばらく過ごしたら、また移動。
時々、何かわからない祭壇があるのは、地の人がそこで過ごしたという証だと、ゲームでは言ってたから。
・・・地の人、ここにはいそうにない。
もしかしたら、卵おいて行っちゃったのかな・・・
忘れたってこと、だよね。
困ったな。
これ持っていくしかないんだよね。
空間にいれることもできないしな。
「シツジローくん、もってって」
「承知しました」
プレイヤーの魔力は反映されないからね。
しかし、ほんとに困った人たちだよね。
同じ、神様の作ったもの、なのに、なぜ大事なもの忘れるのかね。
クエスト、誰かが進めているのか?
また、何日もかかって帰るのか、と、うんざりだけど、仕方ないか。
運営さん、運営さん、聞こえてる?
卵、どうにかしたいんだけど。
返事はない。
忙しいのかな。
<・・・アイリーン、すまん、聞こえた。・・・竜の卵だけ、空間魔法に収納できるようにした>
え、ほんとに?
いや、助かるけど、無理してないかな。
声が疲れているようだし。
まあでも、助かったわ。
空の人の卵以外は、空間魔法に入れておこう。
「シツジローくん、それしまえるから、貸して」
「どうぞ」
空間魔法に、ポイ。
さ、かえるかー。
最近やっと、少しだけ時間ができてきたけど、冬にひいた風邪が治らずそのままで、まだ体調が戻らないです。
ストックが…




