205~次に移動~
Bランクと別れた。
この大食漢は、この集落にいるのが当たり前なんだろうしね。
今だけの案内人だったし。
え?
メイちゃんのご飯が食べられなくなるって?
何、駄々こねてんの。
連れて行かないよ。
料理スキル上げればいいよ。
私のスキルは上がらないけどな。
自分で言ってて泣きそうだよ。
次の矢印に向かう。
しかし、何本出ているんだか。
よくこれだけ落としてて、竜は怒らないな。
心が広すぎるでしょ。
「空の人、あなた、どこらへん飛んだか覚えていないの?」
「ふむ・・・ヒトの住む場所など把握しておらぬが、この辺りだったような」
王国全体だな。
広いんだよ、ここ。
「それで戻ったら卵がなかったと?」
「そうじゃ。いつなくしたのだか」
「何日くらい飛んだの・・・」
一日回った程度なら、この辺りって思いつきそうなんだけどなあ。
「朝日が昇るのも沈むのも、夜空も何度見ても美しい」
つまり、気のすむまま飛んでたということか。
それでいつの間にか卵がなかったと。
注意力散漫過ぎない?
卵の散歩だよね?
ちがうの?
「次はこっちだね」
王都からは遠ざかっているけど、周りだよね。
そういえば、ほかの集落とか、ほんとにいったことないし、サカイの領だって、王都の外なんだよね?
サカイ様は転移できちゃうから、忘れていたけどね。
馬車の中のサカイは静かだ。
できるだけ多くの回復薬を作れといっておいたから、ひたすら錬金窯で錬成中。
それが修行の一つだと言っておいてあるから、必死だな。
上級まで作れるようになったら、一番弟子としての面目躍如だね、と言ったら、がぜん張り切っているけどね。
でも、まだ中級も作れないね。
この旅で、どこまで進められるかな。
材料は、なくなりそうになると、メイちゃんが拠点に転移して採取してくるから、気にしないで作ってほしい。
私はおやつ食べながら、矢印の方向を指示しているだけ。
あと何日かかるかなあ。
まあ、ウーマは早いから、二日もかからないかもしれないな。




