203~Bランク、あんたってやつは~
獣人の朝は早い。
鳥獣人が朝を告げる。
うるさいな!
「アイリーンさん、起きてる?」
Bランク。
朝早すぎよ。
「お嬢さまは、先ほどお目覚めになりました。今、御仕度中ですので、お待ちください」
シツジローくんがBランクを、馬車の中に招いてる。
いいんだよ、そんなの招かなくても。
「おお!前の時より広くなったなあ、馬車の中」
Bランク、覚えているのか。
結構記憶力いいな、数年前のことなのに。
「おはよう、Bランク」
「ランドルだよ。・・・もういいか。兄者が、探し物の内容を聞いて来いっていうから、来た」
「兄者?」
「昨日会っただろ、虎獣人。・・・兄者は、俺の兄じゃないぞ。親戚なんだ」
「あ、そう。・・・で、その兄者さん?にきいてこい、と」
「そう。手伝えることがあるなら、全面協力するって」
「おお、いい人だね、兄者さん」
「まあ、本音は早く出てってほしい、だけどな」
からからと笑うBランク。
殴っていいかな?
本音行っちゃうから、ランク上がらないんだよ。
「あ、そう。・・・私たちの目的は、竜の卵よ」
「竜の・・・?竜って、神の使途で、見守りの?」
「ああ、そうそう、その竜。・・・私たちプレイヤーや、空の人も、神の使い?なんだがね」
「アイリーンさんは、違うと思う」
やはり殴るか?
「でも竜の卵なんて、この辺にあったか?」
聞いたことない、というBランク。
聞いたことあるわけないよね。
見えないんだから。
「それは私が探せるから大丈夫。…もしかしたら数日かかるかもしれないから、滞在するとこが欲しかったんだよ」
「ああ、そうなんだ。・・・集落の外なのか?卵」
「わからない。でも、もしかしたら、外かもしれない。・・・最近、穴が開いたような場所、ある?」
「・・・あな?オレが生まれたときから、そんな話聞いたことないぞ」
「そう・・・」
それじゃどこにあるだろう。
衝撃でクレーターができるはずなんだけど。
てことは、ここの卵は、この空の人のじゃないんだな。
でも、探さないとな。
「まあ、この辺りなら案内できるぜ」
「ありがとう」
とりあえず、メイちゃんの作ってくれたご飯食べよ。
・・・Bランク。
あんたも食べていくのね。
獣人も空も人もサカイも、大食いだったわ。
さて、支度も終わった。
矢印に向けて、出発だ。




