201~馬車はいつでも快適だ~
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ちょっとまだ慣れないですね、新しいやり方。
空の人とサカイと一緒に、拠点の森に移った。
空の人はポータル魔法は知っているようだし。
ただ、使えないらしい。
プレイヤーも使えるし、人間だって覚えれば使えるはずなのに?
神様の設定、なんだろうか。
運営さん、めんどくさいことするな。
拠点からだと、矢印は、王国のほうにしか向いていない。
たくさん出ているのはずっとだけど。
この森にはなさそうだな。
魔物とかには見つからないのかな、卵。
『魔物が見つけていたら、もう、卵は終わっているじゃろう』
確かにね。
クエストでも、絶対にそこにあったのだし。
まああれはゲームなんだけど。
「まずは一番近そうなとこから行くね」
『一番近そうなところとは?』
「プレイヤーには、なんとなく卵のある場所が分かるんだよ」
『便利なものじゃ』
うん。ほんとそうだよね。
近ければ、矢印が大きくなる。
遠いと矢印は小さくなる。
その中で、この空の人が落とした卵がどれかは知らないけどね。
今までの空の人は、プレイヤーがいなかったからって、そのままほうっておいたということか。
それでいいのか?
馬車につながれたウーマは、もう、飛び出したくて仕方ないみたい。
まあ、馬車と拠点はつながっているから、ほとんど準備しなくてもいいんだけど、一応ね。
これも冒険だし。
そういえば、王都中央部に行くまでの道以外で、ほとんど見回っていないなあ。
「サカイ、この方向の街って、どのくらいの距離があるの?」
前の道とは違う方向。
森から出たら、森に沿って回っていこうと思う。
「えーと・・・ここは、国境の外ですよね?」
「ええ、そうね。私はここから王都中央部に向かったからね」
「一応、国に入ったら、いくつか小さい集落があります。王都
そういえば、ジューノさんの故郷もそうだって言ってたっけ。
まだ差別が大きいからね。
仕方ないのかなあ。
「人間も住んでいるはずですが、圧倒的に獣人が多いですね」
「そうなんだ」
まあこの先に矢印があるから、そちらに行くけど。
ウーマのスピードで馬車が進むから、どんどん近づく矢印だけど、それでも距離はまだありそう。
馬車の乗り心地がよくてよかったわ。
空の人は、クッションで寝てるし。
危機感ないなあ。
ほんと、何日かかるやらだわ。




