199~卵の行方~
まずはどこからどこに飛んでいこうとしたのか、そこがわからないとだよね。
なので地図を出したけど、空の人、地上を知るわけなかった。
しかも、気が付いたら卵が腕の中からなかったって、ほんとに預かっている責任もとうよ。
『空の竜に卵を預けられるのは名誉なことなのだ』
「名誉なら、責任もちなよ。どうして落とすのさ。だいたい、空の国の中なら、落とすこともないでしょ」
『たまには他を飛びたいと思うし、卵に世界を見せないといけない。・・・この近くに落としたと思うのだ』
「結構広範囲というか、この国ほぼ全範囲だよね?」
気がするだけじゃ、わからないよ、おにー・・・おじょーさん?
そういえば、性別ないんだった、この人たち。
「しばらくはプラム郷にも帰れないかもね。ナナのおやついっぱい作っておいていってあげて、出かける準備ね。・・・メイちゃーん、シツジローくーん」
いえば二人はもう準備に取り掛かってる。
さすが優秀だわ。
ゲームでは、なんとなく方向が分かる、のがプレイヤーだった。
という過去のクエスト受けると、予感、が発動するらしい。
こっちのほうから・・・みたいな感じで、矢印が出てくるのだけど、ここ現実だから、出るわけないよね。
・・・いや、でてる。
でも、一つじゃない。
いくつも、こちらのほうのような・・・が、感じられる。
え?どういうこと?
「聞きたいんだけど、何度も卵落とした?」
『われが落としたのは一つ。ほかのは知らぬ』
「そうなんだ・・・」
つまり、プレイヤー協力が得られなくて、そのままになっている竜の卵がいくつかあるということなんだね。
仕方ない。
わかるだけかたっぱしからさがしていくか。
どうせ時間はたくさんある。
さて。
冒険だ。




